
あの廃墟の診療所、聞いたことがあるだろうか。冬の夜、私たち4人はその場所に肝試しに行くことになった。メンバーは私(遥)、友達の健、真理、そして亮。高校最後の冬休み、心霊スポット巡りにはまっていた私たちは、最初はただ近くで話しているだけだったが、次第に冒険心が芽生え、「中に入ってみよう」と提案することにした。
診療所の中は、想像以上に静まり返っていて、薄暗く、どこか不気味だった。廊下を進むと、突然健が「何かいる気がする」と言い出した。みんなは彼を笑い飛ばしながら階段を上ったが、真理が突然うずくまり「もう帰ろう」と泣き出した。仕方なく、みんなでその場を後にし、バイクで帰宅することにした。
翌日、学校に行くと、亮が真理が来ていないと心配していた。もしかしたら、昨晩の恐怖で寝込んでいるのかもしれない。3日後、真理の母親からの電話がかかってきた。「彼女は亡くなった」と告げられた瞬間、頭が真っ白になった。私たちは急いで真理の家へ向かうと、すでに警察が集まっていた。真理の部屋には入れず、ただその場に立ち尽くすしかなかった。母親の話によると、彼女は髪をむしり取り、白目をむいた状態で発見されたという。
その日、私たちは親から散々叱られ、気持ちの整理もつかないままに過ごした。数日後、亮が「真理が夢に出てきた」と言い始め、恐怖が再び私たちを襲った。3日後、亮も同じような姿で亡くなったと聞かされた。私たちは恐怖に駆られ、神社でお祓いを受けることにした。
神主は私たちに言った。「あんたたち、入ってはいけない場所に足を踏み入れた。次はお前たちの番だ。」その言葉が脳裏に焼き付いた。渡されたお守りを握りしめていると、いつの間にか朝になっていた。
それから一週間は気を抜かず、集まることも避けて過ごしていたが、土曜日、久しぶりに集まることになった。健が遅れてくると、みんなで待っていると、彼は半泣きで戻ってきた。「何かに追われている気がする」と言った。私たちはそれを笑って流したが、次の日、健もまた亡くなった。私たちの友人が次々と命を落としていく。
私自身も恐怖に苛まれ、再度診療所に向かった。「遊び半分で来て本当に申し訳ありません」と謝りながら帰った。お祓いでもらったお守りは黒く変色していた。
その後、私は神社で再度お祓いを受けた。「もう悪いものはないが、気を緩めてはいけない」と言われ、安心することもできなかった。
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