
私の町には、古びた図書館がある。その一角には、かつての町の伝説や物語が収められた特別なコーナーが存在した。ある冬の夜、私と6歳の娘は、そのコーナーを訪れることにした。娘は本を手に取り、「ママ、これ読んでみて!」と興奮気味に言った。
その本は、平安時代の物語を語っていた。若き男性が公家の姫に愛されるも、身分の違いから引き裂かれる悲しい恋物語だった。姫は彼を訪ね、自害するまでの経緯が詳細に描かれており、最後のページには「彼女の魂は今もこの地を見守っている」と書かれていた。
その時、娘が小声で言った。「ねえ、お姉ちゃんがいるよ。すごく悲しそう…」私は少し驚き、振り返ったが誰もいなかった。娘は本を指差し、「この本の中の人だよ。」と言った。
不安を感じながらも本を読み続けると、急に背後から冷たい風が吹き抜けた。振り返ると、娘の表情が驚愕に変わり、「ママ、誰かが後ろにいる!」と叫んだ。振り向くと、そこには薄暗い影が立っていた。私は恐怖に駆られ、すぐに図書館の外へと逃げ出した。
家に帰ると、娘は「お姉ちゃん、まだいるよ。私を見てる…」と言った。私は思わず、図書館で読んだ物語を思い出した。あの姫と男性の物語が、こんな形で私たちに影響を及ぼすとは思いもよらなかった。
しばらくして、娘は「もうお姉ちゃんはいなくなったよ」と言った。しかし、私の胸には、あの影の記憶が深く刻み込まれたままだった。図書館の住所は、表向きは◯◯市古書町◯◯番地。しかし、住民票にはこう記載されている。「古書町の影の場所」と、、、。私たちが出会ったのは、ただの伝説ではなかったのかもしれない。今でも、あの夜の出来事は私の心に恐怖を残している。特に、図書館の本棚の隙間から、今でも誰かがこちらを見ている気がしてならないのだ。
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