
(「夜の駅前ロータリーで、女子高生と車で迎えにきた母」の続き)
・・
県道201号線の瀬名川あたりを走る車。
夜遅いせいか、歩行者は勿論他の車もそれほど見かけなかった。
助手席の桜子は運転する母の由紀子に、電車で見たこわい夢について話していた。
すると由紀子は、
「私も若い頃、ちょっとこわい体験があってね。聞きたい?」
「うん。聞かせて!」
桜子は母の由紀子の話を聞いていた。
・・・
それは由紀子がまだ高校生の頃だった。
由紀子も、桜子や父の利夫と同じく静岡市で生まれ育った。
年をとっても割と綺麗な由紀子は、高校生の頃はセーラー服にセミロングの髪の可愛らしい女の子だった。
音楽が好きな由紀子だが、高校ではバレーボール部に所属していた。
その日、部活の練習が終わって帰る頃には辺りがすっかり暗くなっていた。
由紀子は自転車で家路へと向かっていた。
当時はコンビニとかも珍しく、街灯の光が頼りの時代だった。
由紀子は川沿いの舗装された道を進んでいた。
1人では心細いところだが、ここを通らなければかなり遠回りになってしまう。
由紀子は多少怖くなりながらも、自転車を進めていた。
しばらく進むと、川の水面に何やら光るものがある。
何だろう?
由紀子が川の方を見ると、そこには光っている白い服の女の人が膝あたりまで水面に浸して川の中で立っている後ろ姿があった。
あんなところで何やってるんだろう?
それに何で光っているの?
女の人は体や服が光っているが、なぜ光って見えるのかは分からない。
由紀子は自転車を止めて女の人を見ていると、突然女の人は由紀子の方を向いた。
女の人は由紀子を睨むように見て、川を歩いて由紀子の方に向かってきた。
由紀子はこわくなって自転車を飛ばして逃げてきた。
ある程度走ったあと後ろを向くと、あの女の人が川沿いの舗装された道をすごい形相で走っていた。
由紀子は必死に逃げてきた。
・・・
「それでどうなったの?」
桜子も怖くなった表情で由紀子を見た。
「そのあとは、川沿いを抜けて町の中まで来て何事もなく家に戻れたの。」
「よかったぁ・・」
「でも、あの女の人が何だったのか、今でも分からない。」
由紀子がそう言った直後、運転席側の窓のすぐ横をこちらを見ている女の人の顔がうつったのを桜子は見てしまった。
運転席のすぐ外は対向車線の車道なので人が立ったり歩いたりすることはない。
由紀子は桜子の方を向いて
「どうしたの?」
と言った。
桜子は「何でもない」と言おうとするがなぜか言葉が出なかった。
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