
中編
同級生の死
匿名 2日前
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10年ほど前の話です。
私は高校卒業後、県外の大学へ進学しました。大学生活に慣れるとバイトをはじめました。帰宅時間はいつも0時頃。
ある日、マンションに帰宅した後、携帯を開けてメールを確認すると、高校時代の友人から久しぶりにメールが来ていました。転送メールでした。
「Aちゃんが事故で亡くなりました。最後にAちゃんに会いに来てあげてください。」
Aさんとは中学校から高校まで一緒でした。活発で友人も多く、バンドをやっていたと記憶しています。彼女とは6年間の学校生活で数回話したことがある程度。一度だけクラスが一緒になったことがありました。
クラスメイトの死の知らせはショックでした。あまり話したことはなかったけど、とてつもない喪失感でした。
メールには続けて、お通夜の日程と場所が書いていました。時刻は0時。お通夜の時間までに地元へ帰ることは困難でした。
私は部屋の中でしばらく黙祷し、就寝しました。
夢を見ました。ウユニ塩湖をご存知でしょうか。水面が透明すぎて、空の青がそのまま鏡のように地面に広がっている。あのイメージです。
その中に手すりのない螺旋階段が遥か上まで伸びていました。
その螺旋階段の一段目を見つめているのか、それとも俯いているだけなのか。螺旋階段の前にスーツを着た男性が立っていました。そして誰かがその男性におぶさっているのですが、その人が着ている服に見覚えがありました。
高校の時の制服です。黒いスカートと白いブラウス。濡れているようで、おぶさっている女性の肌にぴっとりと張り付いていました。顔は見えません。男性の首元に顔を埋めていました。髪も濡れているようでした。力なくただおぶさっていました。
しかし私は、その少しパーマがかったショートカットの髪型を見て、それが誰かを認識しました。
Aさんだ。
そう思った瞬間、伏せられていた顔が勢いよく、ぐりんっと私の方に向けられました。目は大きく見開かれていました。バチッと目が合いました。
その瞬間、私は目が覚めました。
しかし、体が動きません。
手足が動かない。それ以前に目が開かない。
金縛りでした。
ドスン!
何か重いものが高い所から部屋の真ん中に落ちたような音がしました。何か質量のあるもの、とにかくとても重いもの。目が開かないので分からないけど……。
でもそんな重いもの、私の部屋にあったっけ?
私はとにかく指の一本でも動かせればと、手に力を込めました
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