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短編
山登り
匿名
短編

山登り

匿名
2019年2月27日
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これは父から聞いた話です。

私がまだ3歳の頃、1ヶ月に一度は家族みんなで山登りにいくことが定番でした。

その日登りに行った山は、奈良と大阪の境目にあるのK山、調べてもらったらどこの山かわかると思います。

山道に入る前に、犬を連れた夫婦と知り合って一緒に登っていたそうです。

夫婦が連れていた犬は三歳のラブラドール・レトリーバーで、その頃の私と同い年、犬はお皿で、私はまだ持ち慣れていないペットボトルで一緒に水分補給をしている写真が残っています。

一時間ほど登り、かなり標高も高くなってきた時のことです。

明るい山道に出た途端、急に犬が荒ぶり吠えだしたそうです。

三歳児である私が安心して近づけるほど大人しかった犬が急に吠えだしたのです。

あまりの変貌ぶりに、飼い主は思わずリードを離してしまいました。

途端に犬は猛スピードで走って行き、三十メートルほど離れた所で激しく地面を掘り始めました。

その夫婦と私たち家族が、犬の方へ駆け足で向かう途中、犬が地面を掘るのをやめ、今度は吠えだしたそうです。

犬のところへ向かうと、そこにはまだ新しい人間の死体が埋まっていたそうです。

背面しか地面に出ておらず、性別は分からなかったそうです。

その後、私たち家族とその夫婦は死体を埋め直して、手を合わせ、そのまま帰ったそうです。

まだそのK山で死体が見つかった事件は起きていないので、今でもその山には死体が埋まっているのだと思います。

誰がなぜ埋めたのでしょう。

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