
蜃気楼病院
自分の従兄弟が大学の先輩から教えてもらった話。
2012年の8月の火曜日、大学で肝試しをやろうと、先輩はクラスで募集したらしい。
肝試しに乗り出したのは、クラスでも一番の頭突っ込みたがり屋のA、オカルト趣味のあるB、怖がりだが好奇心で参加したCの先輩を含めた4人となった。
先輩は既に、どこのスポットを回るのかの心霊プランを決めており、そこはどこも出る噂のあるスポットで満載だった。
集合場所は最初のスポットである◯◯橋に決まり、夜の7時に個々の車で集合となった。
全員同じ車で行かないのは、一人だと恐怖を感じやすくするという先輩の計らいだ。
盛り上がっての土曜日の夜7時、Bが少し遅れた以外に特に何もなく、いわくつきの◯◯橋の探索に入った。
先輩とその仲間はお祭りムードで探索し、過去に事故があったという川の水を重点的に撮影したが、特に変わったものは写らず。
写っていたのは、虫のぼやけたものと普段よく見る川の水しか写っていなかった。
その後も他のスポットにあたるが、特に変わった写真は撮れず、最後の山の廃墟の家も特に変わった写真も撮れず、デマ情報を流されたと先輩も仲間も諦めムードだった。
しかし、Aが山奥に建物があると言い出し、指を指した。
そこには病院に似た4階の大きな廃墟があり、諦めが顔から出ていた先輩と仲間は一気にお祭りムードになり、俺たちが一番乗りだとはしゃぐ幼稚園児みたいに、廃墟に向かって走って行った。
廃墟の中、外で見た感じのボロい感じとは裏腹に、ついさっき掃除したばかりみたいな感じで、とても綺麗で、荒らされた気配もない。
それどころか何もなかった。
椅子も、時計も何もなく、白一色の世界だった。
他にも仲間達はある違和感に気づく。
待合室である場所を歩き回っても、カツーン、カツーンという病院で歩く時の足音がまるで聞こえない。
それ以前に外の虫の鳴き声や草木の音すらも聞こえなかった。
無という恐怖とはまた違った恐怖に怯えながらも、「このスポットはネットにすら上がってなかったんだ。何かあるに違いない。」と好奇心で前進することに。
まずは1階。
いくつか部屋はあったが、何もなく、あるとしたら窓だけだった。
次に2階。
部屋はたくさんあったが、窓しかなく1階と特に変わりなかった。
次に3階。
ここでBがある物を見つける。
3階を探索して2つ目の部屋で見つけた、壁に飾られた4つの豪華な額縁。
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