
長編
仮母女(かもめ)
匿名 29分前
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の作戦を通すべく、なおも食い下がった。
「ちょっと今日は何も持ってないんですが…でも家族風呂は利用しませんし、(この地方は条例で、家族の証明がないと家族風呂を貸切りできない。)お部屋だけでも泊めて下さい。
お願いします。」
家族証明がないと部屋に泊まれないなんて条例はない。
旅館の規約にはあるのかもしれないが…そんなものどうとでも(?)なるだろう。
1時間ほど押し問答した末、最後は洋子の泣き落としも加わり、
「…かしこまりました。
ではお泊めしますが…。
あの、大変申し上げにくいのですが、その…いかがわしい行為だけは絶対なさらないで下さいませね。
まぁ、ご兄妹ですので当然なさりませんでしょうが…これも一応お伝えする決まりですので…。」
やっとのことで女将が折れた。
イライラが頂点に達していた俺は、必殺アイアンクローが炸裂する前に事態が収拾し、ホッとした。
部屋に上がったらもう16時を回っていた。
俺たちはさっそくそれぞれ温泉を堪能した。
18時から夕食の海鮮料理に舌鼓を打ち、また温泉に入って、夜になった。
色白で、長い黒髪を後ろで一つにまとめた洋子は、浴衣が本当によく似合っていた。
俺たちは女将の忠告を無視して、当然いかがわしい行為(笑)を楽しみ、23時ころ消灯した。
異変は深夜やってきた。
真夜中、トイレに行きたくなって目が覚めた。
(ちょっと飲み過ぎたかな?)
すぐ隣では洋子が寝息をたてている。
さていざ起き上がろうとすると…体が動かない。
金縛りだ。
(やべー。マジで飲み過ぎた?まだ酔ってんのかな?)
隣に洋子がいることもあり、そんなに恐怖は感じていなかったので、目だけ動かして部屋の様子をボンヤリ見回した。
…後悔した。
布団の横、洋子を隔てた向こうの壁に押入れがあるのだが、そこが四分の一ほど開いていた。
そこに…そいつがいた。
押入れの襖の隙間からそいつは、こちらを見ていた。
押入れ上段の暗がりに浮かぶ、真っ白な顔。
髪は肩くらいだろうが、ぐちゃぐちゃに乱れており、正確にどのくらいの長さか分からない。
女だ。
確かあの押入れは布団が入っていたところだから、今なら人は入れるだろうが…いや、そもそもあれは生きた人にはとても思えない。
女は、和服のようなものを着ていた。
襟元しか見えないが、恐らく着物だろう。
色はよく分からないが、茶色か黄色のような色だ。
女は、ものすごく憎悪に満ちた形相でこちらを睨ん
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- 面白かった!菊島梨瑚
- いや旅館は責任ないでしょ。サングラス
- 3人で事をなすのところで不覚にもそぷ
- 旅館に責任があるわこれ、警察に言っていいレベルだよ。いかん
- 洋子さんどこ?まりりん
- おもろないなガスライティング
- けっこうおもしろかった。りょーた
- 自業自得としか言いようがないな鴉
- 前もこの話見たことあるけど前見た時はもっと長かったような?あー
- なかなか怖かったですが。。。 水晶はそんなに高くありません。vicky