
長編
仮母女(かもめ)
匿名 8時間前
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ら…洋子の面倒は俺が一生見る!
そんなことをグルグル考えていたら、部屋の廊下をバタバタ走る音がして、部屋の襖が勢いよく開いた。
そこに立っていたのは…洋子の両親だった。
洋子の母親が俺の前に大股でズカズカと近づいてきたと思ったら…
―パーン!
口の中にジワーッと鉄の味が広がる。
頬を思いっきり殴られたようだ。
口の中が切れている。
「あなた…あなた…!!
よくも洋子を…!
あんな嘘までついて…。
よくも…よくも。」
洋子の母親は顔を真っ赤にして、涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。
父親は、そんな母をたしなめることもせず、じっと俺を睨んでいる。
「あなた…。彼氏なら…どうしてあの子を守ってやれなかったの?!
なんであなたは平気で…洋子だけ…洋子だけあんな目に…!」
母親は化粧をしていたのだろうが、涙でマスカラやアイシャドウが溶けて、目の周りは真っ黒に染まっている。
どうやら旅館からの連絡で、ここに来る前に先にお寺に行って洋子の姿を目にしてきたのだろう。
「本当に…本当に申し訳ありませんでした!
この責任は必ず取ります!
一生かけて償いますから!」
俺も既に涙声になっていた。
その様子を見ていた父親が一言、
「とりあえず話は3日後ゆっくり聞かせてもらう。
君は今すぐ帰りなさい。」
お寺の方で既に彼らも事情を説明されていたのだろう。
俺は畳に頭をこすりつけ土下座の体勢でしばらく黙っていた。
「いいから早く帰りなさい。」
再び父親の声が響き、肩をポンと叩かれ、家に帰るよう促された。
それから俺は急いで荷物を詰め(失禁したパンツだけ旅館に捨ててきた)、駅まで旅館の車で送ってもらい電車に乗った。
そして電車で2時間…やっと地元に戻ってきた。
見慣れた景色に戻って、(もしかして全部夢だったりして…。)なんて都合の良い現実逃避をしていたら…まるで(そんなことさせないよ)と言うかのように俺の携帯が鳴った。
旅館からだった。
「もしもし。○○良一様(俺の名前)の携帯でしょうか。
あの、私△△旅館の女将の△△ですが…。」
俺は、女将のただならぬ声のトーンに不安を抱きながらも
「はい。僕です。
さきほどはどうもお世話になりました。」
と答えた。
「あっ、良かった…一応携帯を聞いておいて…。
実は今しがたお寺から連絡があったんですが、洋子さんがお寺からいなくなったそうなんです!
どうやら、少し目を離した隙にご家族が無理矢理、
この怖い話はどうでしたか?
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- 面白かった!菊島梨瑚
- いや旅館は責任ないでしょ。サングラス
- 3人で事をなすのところで不覚にもそぷ
- 旅館に責任があるわこれ、警察に言っていいレベルだよ。いかん
- 洋子さんどこ?まりりん
- おもろないなガスライティング
- けっこうおもしろかった。りょーた
- 自業自得としか言いようがないな鴉
- 前もこの話見たことあるけど前見た時はもっと長かったような?あー
- なかなか怖かったですが。。。 水晶はそんなに高くありません。vicky