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中編

曾祖母の優しさと加護

けいすけ 2日前
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今回は今年の春に起きた曾祖母にまつわる不思議な出来事のお話しです。 私の祖母は足が悪い人です。 若い頃はゴルフ場のキャディーさんをしていて小柄な体格で重いゴルフバックを何個も持ちかなりの距離を歩く仕事をした人でしたので無理がきたのでしょう…膝を痛めてしまいました。 膝の軟骨が無くなり、歩くときに骨同士がぶつかるのでかなりの痛みがあるのです。 そんな時でも祖母は働き者で…痛みを我慢しながら家事をしてくれています。 「栞は仕事をしているから大丈夫だよ。疲れているでしょ?…そろそろ毎月の毒抜きが来るようだから大人しくしていなさい。体が元気になったらお願いするから。」 …私が具合が悪くて家事を変われなくても小言を言う処か、気遣ってくれる祖母。 それなのに…。 私は祖母の通院の付き添いや道を歩くときに手を差し伸べたり、休みの日や体調が良いときに家事をする位しか出来ない。 「優しい孫がいて幸せだよ。充分だよ。今時いないよ…あんたのような優しい子は。」 だなんて…頼り無い私に優しい笑顔で言ってくれる優しい祖母。 今年の春先の夜、季節の変わり目が原因か祖母の足の痛みは強さを増していた。 足の痛みに加えて風邪を引いたのか祖母は熱を出してしまった。 優しい祖母に対して何も出来ない自分が悔しかった。 冷えピタだのポカリだの果物ゼリーだのを買い膝をさするしか出来ない。 …悲しくて祖母が心配だった。 もしかしたら、悪い病気が祖母を苦しめているのかな?と不安になった。 寝る前に私は仏壇の祖父に少し泣きながら祈った。 「じいちゃん、ばあちゃんを助けて。膝の痛みと風邪で苦しんでいるんだ。ばあちゃんの膝の痛みが私に来ても良いから。可愛いがってくれている人が苦しんでいるのに何も出来ないなんて悔しいよ。」 …その時でした。 仏壇の中にある祖父の遺影が明るく光りました。 白く光る薄いモヤモヤのような光でした。 …祖父は優しく微笑んで居ました。 そして、私の頭を優しく撫でる暖かい感覚。 もしかしたら…。 その日の晩、寝ていると私の頭を優しく撫でる暖かい手と共に声がしました。 「お話しは聞いたよ。安心して寝なさい。有り難うね…私の娘であるばあちゃんを大切に思ってくれて。優しい子だよ。」 目を開けると曾祖母が枕の横に座って居ました。 「あんたは幸せ者だな。…膝、痛いね。偉いね。必ず治すから。私の分まで長生きするんだよ。…あんたも安心して寝なさい。」

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