
田舎の小さな町に住むいとこの母は、いつも夢や願望を口にすることが癖になっていました。
「もっと素敵な家が欲しい」「あの旅行に行きたい」などと言うと、何故かそれが実現してしまうのです。
彼女は、自分の言葉が現実を形作ると信じていて、いつも明るく前向きでした。
そんな彼女を見ていると、私も少し羨ましく思っていました。
しかし、ある冬の午後、彼女はぽつりとこう言いました。「あまり長生きしたくないの。70歳くらいで静かに眠りたいわ」と。
その言葉に私は驚きました。
人生の終わりを語ることは不謹慎だと思ったからです。しかし、彼女の言葉にはいつも力が宿っている。
果たしてこの言葉も現実になるのか、興味が湧きました。
彼女は健康そのもので、周囲の人たちも長寿が多い家系でした。
私はこの発言が無視されるだろうと高を括っていましたが、彼女が70歳の誕生日を迎えた直後、病院で深刻な病気が見つかりました。
その病名は肺がんで、すでに手遅れの状態でした。
発見からわずか数か月後、彼女は静かに息を引き取りました。
望んでいた通りの幕引きで、彼女の言葉の力を改めて感じました。
彼女は夢を語ることで自らの運命を引き寄せたのかもしれません。
少し怖さを感じる一方で、彼女のように思い通りに人生を操る力があればな、と羨ましくも思いました。
言葉には本当に影響力があると実感した瞬間でした。
私たちの言葉が、未来をどう変えるのか、考えさせられる出来事でした。
彼女は自らの運命を、自らの言葉で決めたのです。
それが、言霊の持つ力の真実なのかもしれません。
恐ろしいことです。
私も無意識に口にする言葉に、もっと気を付けようと思います。
言葉が運命を変えるのなら、何を口にするかがとても重要です。
彼女のように、運命を選ぶ力を持ちたいと願った冬の午後でした。
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