
2年前、彼女がパワースポット巡りにハマってて、自分もそれに付き合って色んなところを回ってた。
その頃とある神社がネットで話題になってたんだけど、そこは自分が住んでいたところから車で30分くらいで行ける場所だったから、休みが合った日に参拝しに行くことになった。
当時自分は教師をしてて、自分が受け持つクラスの生徒が立て続けに怪我をしたり、自分も骨折したりと不幸が続いていたから、何となく導かれてる気がした。
当日、神社に到着して参拝してからおみくじを引いたんだけど、引いた直後に喉にもの凄い激痛が走って咳が止まらなくなってしまった。
チクチクとした痛みと熱さが何度も喉の奥から波のように込み上げて、何度目かの波が来た時に耐え切れず吐いてしまった。
彼女はオロオロしつつも背中をさすってくれてたんだけど、止まらない咳と嘔吐に周りの参拝客も唖然としてて、おみくじを引いた授与所から巫女さんがポケットティッシュを持って駆け付けてくれた。
そのすぐ後に、ワイシャツとスラックス姿のおじさんが来て、社務所近くにあるプレハブ小屋に連れて行かれた。
他の参拝客への配慮だと思ったのと、小屋の中を吐瀉物で汚してしまうと思ったから、人目がつかない外でいいですって断ったんだけど、おじさんは「いいから入って」と言って半ば強制的に小屋に押し込まれた。
小屋に入ってすぐ、おじさんが俺の背中を強くバンバン叩いて、祝詞のようなものを読み上げてしばらく経った時、喉のチクチクが口内に上がってきて、デカい痰が出る時みたいに口から何かが出てきた。
くしゃくしゃに丸められた紙だった。
喉の痛みが嘘みたいに消えて、彼女と一緒に呆然としてると、おじさんが「出た!良かった」と安心した様子で言った。
当たり前だが紙なんて食べてないし、何が何だか分からなかったが、とにかく自分が吐いたものだから慌てて貰ったポケットティッシュでその紙を包んだ。
「中見た方がいいよ」
硬い表情になったおじさんに言われて、彼女と顔を見合わせながら恐る恐る紙を広げると、それはくしゃくしゃになったおみくじだった。
運勢の横に『亡』と書かれていて、あとは漢字と梵字が混ざったような文字が紙面いっぱいに書かれていた。
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