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短編
テレビ女
匿名
テレビ女
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テレビ女

匿名
2014年3月18日
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それは私がちょうど小学三年生の頃。

よく覚えてはいないが、帰宅すると家には誰もいなかった。

静寂に包まれた家の中。

廊下からふと茶の間を覗くと、テレビがついていた。

画面には、黒いバックに女性がアップで正面を向いている。音はしない。

白黒の映像かと思ったが、唇の赤いのが印象にある。

ハレーションを起こして妙に白く映った感じ。

その女性は目のパッチリとした、少しウェーブのかかったセミロング。

その映った女性の視点は正面を凝視している。

廊下からテレビを見た私の位置はテレビの正面ではないため、当然女性とは視線は合わない。

最初は、誰かテレビをつけっぱなしにして出かけたとしか思っていなくて、

ボーっとテレビを見つめていた。

そのとき、女性の視線がこちらに向き、ビックリした顔になった。

私に見つかったような慌てた表情だった。

その瞬間、女性は画面の下方にしゃがむように消えた。

よくその状況が理解できていなかった私は、テレビに近寄った。

テレビは消えていた。

リモコンのない時代、電源スイッチのON/OFFはボタンで行っていた。

ボタンはOFFの位置だったのだ。

テレビをつけると、3時のあなた(だったような)が映し出された。

怖くなって、テレビをつけっぱなしにして私は外に出た。

私は、今でも消えたテレビが少し怖い。

ブラウン管が怖いのだ。

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