
長編
夢の白い部屋
匿名 3日前
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モヤのようなものがかかっていたのですが、俺の近くにいた2人にモヤはなく、全く無関係な人達でした。
会話の内容まで鮮明に覚えていませんが、とにかく俺達は自己紹介をして部屋を組まなく調べることにしました。
地面になにか無いか調べていた俺でしたが、小野さんが何かを見つけたようで指を指す先には縦に長方形の枠があり、考えるまでもなくそれが扉だと思いました。
ゆうすけさんが何度かタックルで扉を押し上げると、そこは部屋同様に白で染った廊下でした。
何も無くただ長々と続く廊下に出た俺達はそのまま廊下を歩きましたが、突然廊下の電気が落ちたと思ったら、次の瞬間場所が変わったのかと思うくらい汚い場所に立っていました。
よく分からないネバネバした液体が天井から垂れ、壊れかけの蛍光灯のせいで薄暗く、足元は汚れたコンクリートに変わっていた。
状況がわかっていなかった俺でしたが、またあの貫くような視線が背後から向けられているのを感じました。
「見たらダメだ」と頭ではわかっているはずなのに、首が勝手に背後に向いてしまう。そして、それを見た時に俺は後悔しました。
カマキリのような身体だが人間のような質感で、口は縦に裂け、鋭利な刃物を持った何かが俺の後ろのいたのです。一目で人間では無いと分かるその様子に俺は恐怖で固まっていましたが、ゆうすけさんの「逃げろ!」と、その一言で俺は咄嗟に駆け出しました。
全速で走り始めて数秒後、後ろから聞いたことも無い2つの声が聞こえ、俺は後ろを振り返る事は出来ませんでした。
ただ一直線にゆうすけさんと走り続け、「夢なら覚めて欲しい」その一心だったと思います。
気がつけば俺達は扉の前に立っていて、ゆうすけさんが扉を開けると同時に俺は現実に戻された事を認識しました。
目が覚めて、さっきのは夢だと思った瞬間、俺の呼吸と鼓動が激しくなり、汗が滲み出てくる感覚に襲われました。まるで全力疾走した後のように。
寝起きにもかかわらず俺はその辺にあった勉強用のノートの一番後ろにさっき見た夢を殴り書きしました。その後は二度寝もできず、朝を迎えました。
それから4日ほどしてまた、同じ夢を見ました。白い部屋、長い鏡、俺とゆうすけさん。
ただ、小野さんだけが居ませんでした。
もう三度目になるこの夢に心底嫌気がさし、俺は恐怖を超えて最早怒りさえ湧いていました。
「なんでこんな夢を見ているのか」と当たり前のように
後日談:
- これが最初で最後の俺の投稿になると思います。 あの日見た夢から3年が経ち、俺は大学生になりました。あの時出てきたゆうすけさんと同じ歳です。 この話を古くからの友人に話しても「ただの夢」だと一蹴されてしまいますが、大学で出来た友達に話すとどこかのホラーサイトに載せた方がいいと言われ、偶然見つけたこのサイトに投稿しました。 あれが夢であれ、現実のどこかで影響を及ぼしていたにせよ、あの夢で掴めなかった手は、これまで見た夢の中で1番記憶に残っています。 どうかこの話がいつまでもネットで消えぬ事を願っています。それが俺に出来る最大の弔いと信じて。
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