
長編
夢の白い部屋
匿名 3日前
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て10月。
涼しくて過ごしやすかった日中に、俺は部活帰りで疲れもあってか、リビングのソファーでうたた寝をしたのです。
その時見た夢はこれまでには無く、真っ白な部屋に大きな横鏡が1枚付いただけの簡素な部屋でした。
この時の夢もまた明晰夢で、自分自身で動く事が出来たのです。
目がくらむほどに真っ白な部屋と反射する鏡を前に、俺はこのような部屋を映画で見た事があると思いましたが、部活帰りでそのまま寝たのだから、こんな光景見るはずが無い。
そう思っていると、突然部屋の照明が落ち、一気に部屋が暗くなりました。突然の出来事に気を取られた俺は何が起きたかわからず、ただ突っ立ていました。
ですが、10秒ほどだと思います。明らかに自分以外の何かが俺の事を見ているのだと認知しました。錯覚ではなく、はっきりとした視線を俺に向けているのです。
しかも俺が向いている大きな横鏡の先から。
そう感じると俺は何故だか言い難い恐怖が湧いてきたのです。
「あいつはヤバい、目を合わせたらヤバい」
鏡越しで見えるはずもない相手の顔から視線を外し、俯いていると見えないという存在に更に恐怖が増し、しまいには感じるはずも無い頭痛を感じました。あの感覚は今でも覚えています。
突き刺さる視線と頭痛で俯いたまま頭を抱えていた俺でしたが、急に聞こえた声に耳を澄ませると一気に意識は持っていかれ気がつけば目の前に弟がいました。
部活帰りで寝ていた俺を叩き起して飯に行くぞ、と親父に言われた弟が俺を揺すって起こしたらしいです。
いきなり現実に引き戻された俺の頭は追い付かず、言われるがまま車に乗り、ラーメン屋に向かう最中、俺はさっき見た夢を忘れないようにスマホのメモ帳に書きました。
それから2週間後くらいでしょうか。
その日は普通に就寝したのですが、またあの真っ白な部屋に大きな横鏡の前に立っていました。
明晰夢だと認識するのに数秒もかかりませんでした。
ただ、前回と違うのは俺の他に知らない人が二人いたのです。1人は大学生のゆうすけさんで、もう1人はサラリーマンの小野さん。(ゆうすけの漢字は分かりませんが、小野はおそらくあってると思います)
夢に出てくる人物は、自分に関わりのある人やテレビや雑誌で見て印象深い人などが現れるらしいですが、俺はこの2人を見た事がありませんでした。
戦争関連の夢を見た時にいる人は大抵が友達で、その他は顔が認識出来ない
後日談:
- これが最初で最後の俺の投稿になると思います。 あの日見た夢から3年が経ち、俺は大学生になりました。あの時出てきたゆうすけさんと同じ歳です。 この話を古くからの友人に話しても「ただの夢」だと一蹴されてしまいますが、大学で出来た友達に話すとどこかのホラーサイトに載せた方がいいと言われ、偶然見つけたこのサイトに投稿しました。 あれが夢であれ、現実のどこかで影響を及ぼしていたにせよ、あの夢で掴めなかった手は、これまで見た夢の中で1番記憶に残っています。 どうかこの話がいつまでもネットで消えぬ事を願っています。それが俺に出来る最大の弔いと信じて。
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