
長編
夢の白い部屋
匿名 3日前
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浮き出た疑問に夢の中の俺はどうする事も出来ず、また前と同じように部屋の出口を探しました。
同じ所に扉があり、俺達は揃って部屋を出ましたが前回と違うのは最初から廊下が荒れ果てていたのです。その瞬間俺は悟ったかのように走り出し、またあの扉へと向かいました。
何も告げずに走ってしまった俺を追いかけるように、後ろからゆうすけさんが来るのがわかったが、俺が扉を開けようとするもビクともしない。
ガチガチに固まって動かない扉に苦戦していると、あの化け物が近づいて来ているのが背中越しに分かります。
焦って開けようとする俺だが、扉は一向に開かない。
背後にはアイツが来ている。
恐怖と焦りで滑る取っ手に格闘している俺の隣にゆうすけさんが来て、「2人でやろう」と言ってくれました。
「頼む開いてくれ」と俺は一心に思い、2人で持てる力を全て出して扉を引いたと思います。
ようやく扉が開いたのと同時に、俺は解放感に安堵したが、その瞬間隣のゆうすけさんが後ろに消えていくの横目で追いました。
俺は咄嗟に手を掴もうと思ったが、開いた扉の隙間に吸い込まれるように体が引っ張られ、あの人の手を掴むことが出来なかった。
目が覚めると俺はいつもの様に軽い脳の痺れを感じつつ、また忘れないようにノートに殴り書きをしました。
3度目の夢から目覚めた日を境に、あの白い部屋の夢を見ることは無くなりました。
今でも観た物、やった物が夢に反映されることは度々あります。それでも前同様に体は自分の意思で動くことは無く、勝手に動く体から呆然とその光景を見るだけに戻りました。
あの時見た夢がなんだったのかは今でも分かりません。あの白い部屋も化け物も、そして登場してきた人物でさえ。
この話をフィクションや妄想、創作と捉えてもらっても構いません。明らかに良くあるホラー作品の話だと筆者も思います。
ただ一言だけ言えるのは、初めてあの部屋を見てから見なくなるまでに起きた夢の体験を残したノートとメモは確かにある。
本当は夢と思いたいだけなのかもしれない。
後日談:
- これが最初で最後の俺の投稿になると思います。 あの日見た夢から3年が経ち、俺は大学生になりました。あの時出てきたゆうすけさんと同じ歳です。 この話を古くからの友人に話しても「ただの夢」だと一蹴されてしまいますが、大学で出来た友達に話すとどこかのホラーサイトに載せた方がいいと言われ、偶然見つけたこのサイトに投稿しました。 あれが夢であれ、現実のどこかで影響を及ぼしていたにせよ、あの夢で掴めなかった手は、これまで見た夢の中で1番記憶に残っています。 どうかこの話がいつまでもネットで消えぬ事を願っています。それが俺に出来る最大の弔いと信じて。
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