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中編

くねくね

匿名 3日前
怖い 36
怖くない 28
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こらない。 しかし、兄は…。 よし、見るしかない。 どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる! 僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。 その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。 僕が『どうしたの?』と尋ねる前に、 すごい勢いで祖父が、『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』と迫ってきた。 僕は『いや…まだ…』と少しキョドった感じで答えたら、祖父は『よかった…』と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。 僕は、わけの分からないまま、家に戻された。 帰ると、みんな泣いている。 僕の事で?いや、違う。 よく見ると、兄だけ狂ったように笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。 僕は、その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。 そして家に帰る日、祖母がこう言った。 『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。 あっちだと、狭いし世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』 僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。 以前の兄の姿は、もう、無い。 また来年実家に行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。 何でこんな事に…ついこの前まで仲良く遊んでたのに、何で…。 僕は、必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。 祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、僕に手を振ったように見えた。 僕は、遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は、確かに泣いていた。 表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。 そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、 僕は涙を流しながらずっと双眼鏡を覗き続けた。 『いつか…元に戻るよね…』 そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。 そして、兄との思い出を回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。 …その時だった。 見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。

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  • くねくねってみんな話してたけどそこまで恐怖心を抱かなかったけどこうゆう感じに話にされると一気に恐怖感が増す。
    えむ
  • いや、それな?
    ひな
  • こいつどんだけ双眼鏡好きなんや
    読者
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