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中編
蝉の声で誤魔化すのは
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蝉の声で誤魔化すのは

2018年2月4日
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ミーンミンミン ミーンミンミン。

蝉の声がうるさかった。

ただ、助かってもいた。アイツの声が誤魔化されるからだ。

五日前。大学のサークルの仲間と肝試しに行った。県と場所は伏せておくが、結構有名な所だ。

男女三人ずつで、その内の俺の高校からの付き合いだった奴が運転をした。深夜一時半集合で、トンネルへと向かい始めた。車内では女子三人が楽しげに話し、俺らもからかい合いながら笑い合っていた。

トンネルに着いた。

「ねえ、なんかちょっと怖くない?」

「そりゃあ夜だもん。当たり前じゃん!」

「そりゃあそうだな(笑)」

呑気な会話をしながら少しずつ進み、真ん中ら辺で一回止まる。

二時になり、怪談通りクラクションを四回鳴らした。

ファーン ファーン ファーン ファーン

「あれ?なんか、後ろから聞こえない?」

クラクションの響きがおさまると、女子の内の一人が声を上げた。

「あ?車でも来たん」

後ろを振り返った一人の言葉が止まった。

「どうしたよ、急に止まって」

振り返った奴が、急に震えだした。

「おい、どうしたって」

「後ろ、後ろ見てみろよ、あれッ!!」

カタカタと小刻みに体を揺らしながら、指をさす。

「後ろってうわああぁあああァッ!!!」

そいつの声で一斉に後ろを振り向く。

「キャアアァアアッッッ!!!!」

女だった。車の後ろに張り付いた、目のポッカリ空いた女が、俺達を見てわらっていた。

「車!車出せ、早く‼」

俺は必死に叫んだ。我に返った仲間が急いで車を発進させる。

ヤバい、目が合った。あの空洞の穴が、俺を見た。

それからは女子共は泣き、男は震えていた。それぞれの家へと着くと、飛ぶように走っていった。俺もその内の一人だ。

あの日から、俺は毎日最悪な日々を送っている。

女は、ついてきていた。返り血で点々と赤のしみが付いた白いワンピースを着たあの女の、ポッカリと空いた目と鏡越しで目が合う。

深夜二時になると目が覚め、耳元で笑いを含んだ声が囁かれる。

「お前は死ぬ、死ぬ、死ぬ、殺す、死ね、死ね、死ね」

空が明るくなるまで言われ続け、日中は常に近くで見られている気配がする。

最近は外にでる気力もなくて、大学も休んでいる。サークルのメンバーから電話が来るが、電話にあの女の声が入るため、怖くて出れない。

唯一の救いといえば、蝉の声がうるさくて、日中は少し気が紛れることくらい。

心霊スポットは、いくなよ?

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後日談:

  •  ある夏の話。くろねこは体験用、鏡は創作用です。  でも、怪談と体験って、どっちが先にあったんでしょうね? もしかしたら、どこかにはいるかもしれませんね。お話が本当にお話なのかは、誰にも分かりません。
アバター 001_015

はじめまして、よろしくお願いします。

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