
私は、特別な能力を持っているようだ。過去に戻ることができるのだが、その制約は一週間前に限られている。高校二年生の私は、この能力を使って日常をなんとか乗り越えようとしていた。
初めてその力に気づいたのは、冬のある寒い日のことだった。友人たちとの待ち合わせに遅れそうになり、焦っていた私は、信号待ちの間に思わず時計を見つめていた。すると、目の前の時刻がくるりと逆回転し、気づけば一週間前の同じ場所に立っていた。
驚愕しつつも、私はこの力を使ってみることにした。最初は小さなこと、例えば友人との約束を守るために、間違って遅刻しないようにしたり、テストでの失敗を帳消しにしたりと、利用するのは単純なことだった。
しかし、その冬のある日、私は一緒に遊びに行った友人の一人が事故に遭うことを知ってしまった。彼はその日、私たちと遊ぶために自転車で出かける予定だった。私は、彼の運命を変えるために、この能力を使おうと決心した。
一週間前に戻り、友人に自転車を使わないように警告した。すると、彼は私の言葉を真剣に受け止め、結局は別の交通手段で出かけることになった。その日、彼は無事だった。しかし、私の行動は彼の人生だけでなく、別の人の運命に影響を与えることになった。
その日、友人の代わりに自転車に乗った通行人が、事故に遭い命を落とすことになった。私は、助けたつもりだった友人のために、他の誰かの人生を奪ってしまったことに愕然とした。自分の選択がどれほど大きな影響を与えるのか、私はその時に初めて理解した。
この恐ろしい能力を持つ自分が、果たして誰かを救うために行動することができるのか、私は悩むようになっていった。後悔の念が私を襲い、何度も過去に戻っては、別の選択をしてみたが、結果は変わらなかった。私が何をしても、誰かが犠牲になってしまう。
そして、数ヶ月後。私は再び、友人たちと楽しい時間を過ごしていた。私はもう二度と過去に戻らないと決めた。その後の未来がどうなるかはわからないが、今は目の前の瞬間を大切にしたいと思った。だが、心のどこかで、私はこの運命に抗えないのではないかという不安を抱えていた。
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