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お題 中編
誰もいない旧館に響く逆再生の呼吸 〜大学1年の俺〜
誰もいない旧館に響く逆再生の呼吸 〜大学1年の俺〜
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誰もいない旧館に響く逆再生の呼吸 〜大学1年の俺〜

7時間前
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さっき、高2の時の美術室の話を書き込んだ、大学1年の俺だ。

どうしても消化しきれないもう一つのガチで最悪な記憶があるから、長編になるけどここに吐き出させてほしい。

これは、美術室のアイツとは完全に「別々の怪異」の話だ。

時系列としては、あの美術室の事件が起きる1年前――俺が高校に入学してすぐの、高1の春のことだった。

入学当時の俺は知らなかった。

その学校には、同級生も、先輩たちも、すでに卒業しているOBも、そして先生方までもが「誰からともなく聞いて全員知っている」という、有名な学校の怪談があった。

だけど、みんな「ただの不気味な噂話」として処理していた。

俺が、あの旧館で『本物』に引きずり込まれるまでは。

5月の半ば。もう部活の雰囲気にも馴染んできた頃だった。

放課後の練習中、先輩から「旧館の奥の倉庫に眠ってる古い備品を取ってきて」とパシリにされた。新入生の俺に断れるはずもなく、一人で木造の「旧館」へ向かう羽目になった。

かつて宿直室や準備室として使われていたその建物は、敷地の一番奥にあって、昼間でも薄暗い。

時計を見ると、もう夜の18時を回っていた。周囲はすっかり薄暗くなっている。

俺はおそるおそる旧館の重い扉を開けた。

古いワックスと埃の匂いが立ち込める廊下は、不気味なほど静まり返っていて、自分の足音だけがやけに大きく響いていた。

目的の古い備品を見つけ、両手に抱えて急いで廊下を戻ろうとした、その時だった。

廊下の途中にある「開かずの物置」のドアの隙間から、奇妙な音が聞こえてきた。

「スーーーッ…………、ハーーーッ…………」

最初は誰かの深呼吸かと思った。

でも、違う。人間が息を「吐いてから、吸う」のとは完全に逆なんだ。

最初に周囲の空気を異常な勢いで肺に吸い込み、そのあとに生温かい空気をゆっくりと吐き出す。

文字通り**「逆再生の呼吸音」**だった。

その異様な呼吸音が響くたび、物置의ドアの隙間から、じわりと**「どす黒い灰(すす)」**のようなものが床一面に溢れ出してきた。

ただの灰じゃない。その灰が触れた部分の木床が、まるで何十年も雨風に晒されたように、一瞬でボロボロに腐食していくんだ。

恐怖で足がすくんで動けない俺の目の前で、物置の影から、ゆっくりと「それ」が這い出てきた。

形状は人間のようだった。

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後日談:

  • 翌日、俺は恐怖と混乱のまま、部活の顧問の先生に「夕方の旧館で変なものを見た」と打ち明けた。 悪戯だと怒られるか、精神的に疲れているだけだと一蹴されると思った。 だが、先生は俺の話を聞いた瞬間、明らかに顔を強張らせ、沈黙した。 角を曲がった廊下の奥を警戒するように見やりながら、こう呟いたんだ。 「お前……本当に、旧館の物置の前で『逆の息』を聞いたのか」 先生方は、その存在を、そしてその特徴を最初から知っていたようだった。 それだけじゃない。クラスに戻って勇気を出して同級生や、部活の先輩たちにも話してみると、全員が驚愕の表情を浮かべた。 「それ……OBの先輩たちから聞いたことがある。旧館には『逆再生の呼吸をする顔のない影』がいるって噂。でも、あれってただの学校の都市伝説じゃなかったのかよ!?」 そう、同級生も、先輩も、OBも、誰からともなくその不気味な噂だけは昔から聞いていて、全員がその内容を完全に知っていた。 なのに。俺がその夜に遭遇するまで、実際にそれを体験した人間は、この学校の歴史の中に一人もいなかったんだ。 みんな、ただの怪談だと思って楽しそうに語り継いでいただけだった。 まさか、本当に入学したての一年生が、ガチで引きずり込まれかけるなんて誰も思っていなかった。 そして、あのメッセージの主が気になって、大学1年になった最近、当時の履歴に残っていた番号に思い切って電話をかけてみるんだ。 すると、繋がった先は学校が契約している総合警備保障の会社。 事情を話して当時(高1の春)の夜間の担当者を調べてもらうと、すでに退職した古い警備員のおじいさんの携帯番号だと分かる。そのおじいさんに連絡を取り、あの夜のことを打ち明けると、受話器の向こうで深くため息をついてこう語り出す。 ……本当にあの旧館で息を止めたんだな。偉かった。 わしは長年あの学校の夜警をしてるが、モニター越しに旧館の廊下にあれ(顔のない影)が這い出てくるのを何度も見てる。先生やOBが噂してる怪談は、全部わしら警備員が『あそこには近づくな』という意味を込めて、生徒にそれとなく流した実話なんだ。 実際に旧館に入り込んで、あれと遭遇しちまったのはお前が初めてだった。 防犯カメラで、物置の前で腰を抜かしてるお前の姿を見た時、もう内線もインターホンも間に合わないと思ってな。お前が持ってたスマホの画面に、警備システムから強制的に割り込んでショートメッセージを送ったんだ。 吸い込んだら1年後が消える』っていうのはな……実は、わしらが作ったあの怪談の『元の噂』には、そんな一文は入っていなかったんだよ。 わしがあの時メッセージを打った瞬間、なぜか勝手に指が動いて、自分の意志とは関係なくその言葉が打ち込まれてしまったんだ。 今思えば、あの旧館にいた『あれ』が、わしの端末を通じて、最初の獲物になったお前に直接【ルール】を告げた(呪いをかけた)のかもしれん。もしあの時息を吸い込んでいたら、お前は本当に高2の未来を迎えられずに消えていたんだろうな……
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俺が持ってる実体験は全て最強です

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