
親友の山本くんの話を始めることにした。
彼は異常な出来事に巻き込まれることが多い性格で、いつも周囲を驚かせていた。ある日、彼は「前世は何か特別な存在だった」と言っていたが、実際は占い師に「前世はただのリスだった」と言われていた。
山本くんの不思議体験は、彼が小学校を卒業するまでは普通の生活をしていたことから始まる。
「遊びに行く途中、古い廃工場の近くで不気味な声に惹かれたんだ」と彼は言った。それは、彼が見知らぬ男と握手をした瞬間、静電気のような衝撃を感じた後のことだった。
中学校に進学した山本くんは、転校生として特に目立つ存在だったため、いじめに遭うことになる。
「田舎の中学校は、特に不良が多いんだ。僕は都会から来たばかりで、友達もいなかったから、ターゲットにされたんだ」と彼は振り返る。
ある日の放課後、山本くんはいじめっ子たちに連れ去られ、廃工場の一室に閉じ込められた。
「その部屋は、壁が薄い鉄板で、内部には古いおもちゃが散乱しているだけの場所だった」と彼は言う。
外から施錠され、彼は孤立した。人通りの少ない場所で、助けを呼ぶこともできなかった。
「その頃は携帯も持ってなかったし、両親は忙しくて連絡することもできなかった」と彼はため息をつく。
時間が経つにつれ、外は暗くなり、彼は恐怖に包まれていった。
「その日、見逃したかったテレビ番組のことが頭から離れなかった。ネットも普及していなかったから、再放送も期待できなかった」と彼は言った。
すると、ふと、遠くで何かを歌う声が聞こえてきた。
「……なかれ……る……」
山本くんは恐る恐る声の方へ目を向けた。
「……おもちゃが……おちる……」
それは、まるで子供が歌っているような、不気味なメロディだった。聴き取れるようになるにつれ、その内容に彼は息を呑んだ。
「おもちゃがあちこちに散らばる ひとつひとつが消えていく やがては砂に還る……」
助けを求める気持ちは消え、山本くんは静かに隠れることを決意した。
視線を外に向けると、街灯に照らされた廃工場の壁の上に、異様な存在がいた。
それは、古びたぬいぐるみの頭だった。目が異様に大きく、彼を見つめていた。
恐怖で動けなくなり、彼はその存在の前で固まってしまった。目が合った瞬間、ぬいぐるみは微笑んだ。
その瞬間、山本くんの意識は途切れ、気がつくと翌朝、彼は廃工場の中で倒れていた。
結局、彼を見つけたのは近所の人々で、両親は彼の不在に気づかなかったという。
後日談:
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