
中編
道連れ
匿名 2015年5月23日
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これは私が叔母から聞いた、叔母が若い頃にあった出来事です。
分かりやすいよう、叔母目線で記しますね。
これは私が27歳のころの話。
私は、私、シンジ(私の彼)、親友、親友の彼(二人とも名前忘れてしまいましたw)の四人でダブルデートのようなかたちでハイキングに出掛けました。
その日は澄みわたった青空で刺すような太陽の、まさにハイキング日和といったところでした。
私は親友の彼が運転する車に、親友と三人で乗ってハイキングに行き、シンジはというと、「自慢のバイクで行くー」とのことでした。
事件は帰りにおきました。帰るといっても、解散せずに私の家で朝まで呑む予定でした。
「競争しよーぜ!」
そう言ったのはシンジでした。私は止めようとおもったのですが、
「いいぜ!また負けるのがオチだろーけどw」
という親友の彼の言葉に、完全に止めるタイミングを逃しました。そして、シンジに
「気をつけてね……」
というのが精一杯でした。
この時タイミングなんて意識しないで止めていれば……
家に早く着いたのは、やはり私達でした。しかしシンジはというと……… 何分経っても何時間経っても、来ませんでした。
私は気が気でなく、へやの中をウロウロしていました。親友は、
「きっとどっかでお酒のおつまみでも選んでるんでしょ、帰ってきたらアキ(私)がどんなに心配したか、叱ってあげなくちゃね」
と私をなだめてくれました。
親友の彼はというと、繋がらないシンジの携帯に何度も電話してくれていました。
時刻は12時、私達が家に着いてからおよそ6時間が経ったとき、
「……………あ!おいシンジ!」
声をあげたのは、電話をかけ続けていた親友の彼でした。私はとびあがって、親友の彼から携帯をひったくると、
「シンジ!シンジ!」
「おー、アキか?」
「アキか?じゃないでしょ!!今どこ!?何してるの!?」(←この時言ったことはよく覚えてないそうです(^_^;))
「あー大丈夫大丈夫。これから迎え行くから」
「え?ちょっとシンジ?どうゆう………」
「これから……迎え行くから……」
ブツッ、ツーツー……
そこで電話は切れました。
私はその場に崩れ落ちました。
「シンジ、なんて?」
親友が訊いてきました。
「迎えに………来るって……」
「え?」
周りが静寂に包まれた瞬間、
コンコン「おいアキ、いるか?」
ドアの向こうからでした。いきなりの不意討ちに私達三人はギョッとし、私は腰を抜かして立てなくなりました。そしてパニック状態になり、
「イヤァァアァアァ!!!」
と叫びました。直感で死者が自分を迎えに来たと思ったのです。誰がどのタイミングで掛けたのか、ドアには鍵がかかっていて、ドアノブがガチャガチャと音をたてるのが、さらに恐怖を駆り立てました。
親友は私をかばうように私を抱きしめ、親友の彼はドアに向かって何か叫んでいました。
しかし、シンジは
「おいアキ、いるんだろ?開けてくれよ。なぁ」
と、私を呼ぶばかりでした。
そして、そのシンジの落ち着いた口調に、だんだん私の気持ちは恐怖よりもシンジに会いたい気持ちが勝ってきたのです。
そして私は立ち上がり、ドアの方に向かいました。
「アキ!ダメ!」
「おいアキちゃん!」
親友と親友の彼は、もちろん私を止めました。
「離してよ!!」
私は明らかにパニックでした。しかし、パニックの中のどこかに冷静な自分がいて、その自分が、
なにか変だ……違う、シンジは違う……
と直感で思っていたのです。そしてその「変」が、シンジの一言によってわかりました。
(この会話は鮮明に覚えているそうです↓)
親友の彼が
「やめろ!もうシンジは死んだんだ!!」
といったとき、シンジが
「違うよ。おめーらの方だろ。死んだのは」
目が覚めた時は病院でした。傍らでシンジが手を握っていてくれていました。
「アキ!……よかった………」
警察の話によると、事故にあったのは私達の車で、運転席と助手席はペシャンコ。後部座席の私は助かったそうです。
叔母はテレビにも投稿して、読んでいただいたそうなので知っている方もいるかもいれませんね
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