
僕が小さい頃、近所に駄菓子屋があった。
店は50才くらいのおばさんが経営していて、ときどきおじさんもいる極普通の駄菓子屋だった。
お小遣いに制限がある小さい頃は、20円とか30円の安い菓子を買って友達と食べて喜んでいたという古き良き時代だった。
僕たちが行く駄菓子屋には、中学生くらいの子も店に来ていた。
はじめは中学生も駄菓子を買うのかなって思っていたが、中学生たちがお菓子を選んでいたり、食べている様子は見たことがなかった。
あるとき、僕が家からいつものようにお菓子を買いに行こうと道を歩いていると、制服姿の中学生が3人くらいで店に入って行くのが見えた。
僕は中学生たちが何を買っているのか気になり、早足で店に向かった。
そして店の中を見ると、何故か中学生たちは一人も店内にいなかった。
店まで一本道だし、中学生たちが店から出るのは見てないはずなのに。
すると、おばさんが二階からおりてきて
「はい、いらっしゃい。」
と迎えた。
僕は
「今、中学生たちが来ませんでした?」
というと、おばさんは少し怒っているような口調で
「え?知らないわよ!」
僕が変なことを言って怒らせたというより、何か焦ったような言い方だった。
僕はおばさんに怒られるのも嫌なので、それ以上は黙っていた。
そのあとも、僕は駄菓子屋に通っていた。
6年生になると、友達と遊んでいる途中にというより、塾に行く途中や勉強の合間にというような小休憩の場所として駄菓子屋に行くことが多くなった。
勉強が難しくなり、宿題や塾などの時間も増える高学年ではスナックや甘いお菓子などがささやかな楽しみだった。
そんな中でも、駄菓子屋に中学生が入って行くことを何回か見ることもあった。
中学生たちは店に入るとどこへともなく行方をくらまし、そして30分くらい経つと満足した顔で店から出て来るのだった。
僕は中学生になったら分かる駄菓子屋の秘密があるのではないかと思っていた。
そのため僕ははやく中学生になるのが待ち遠しかった。
ところが、その秘密を知ることは永久に来なくなってしまった。
もうすぐ僕が中学生になる春休み、駄菓子屋は突然閉業してしまった。
なぜ閉業してしまったのかは分からない。
あの駄菓子屋でどんな秘密があったのかは誰に聞いても教えてくれず、全く謎のままだった。
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