
高校生の私は、冬の夜、古い図書館で本を探していた。薄暗い館内には、埃をかぶった本が並んでいる。そんな中、見慣れない表紙の本に目が留まった。「夢の交渉」と書かれたその本は、まるで私を呼んでいるかのようだった。
ページをめくると、そこには夢の中で出会うことができる存在、夢の守護者についての記述があった。彼らに命を差し出すことで、悪夢を見なくなるというのだ。私の心に疑念が浮かぶ。「本当にそんなことができるのだろうか?」
私はその本に書かれた通り、夢の中でその守護者と出会うことを決意した。夜が明けると、私は夢の中で一人の老人と対面した。彼は不気味な微笑みを浮かべ、「命をくれたら、悪夢から解放してあげる」と言った。
その言葉が私の脳裏に焼き付く。これまでの夢の中での恐怖を思い出し、私はその申し出に心が揺れた。「本当にこの老人を信じていいのだろうか?」
私は思わず「はい」と答えてしまった。目が覚めたとき、心の中に不安が渦巻く。「今日悪夢を見なかったのは、まさか彼の言葉が本当だったから?」
その日以降、確かに悪夢は見なくなった。しかし、日常の中で何かが欠けている気がしてならなかった。友人たちとの会話がどこか物足りない。笑い声が聞こえない。まるで、自分の命の一部が失われてしまったかのようだ。
数日後、私は再び夢の中でその老人に出会った。彼は微笑みながら言った。「あなたの命を貰ったから、これからは悪夢を見ない代わりに、あなたの幸せを少しずつ奪っていく。」その言葉に、私は恐怖を感じた。まさか、夢の中の契約が私の人生をも支配しているとは。悪夢を見ない代わりに、私の幸せが消えていくなんて! それに気付いた時には、もう遅かった。何もかもが手遅れだった。私の選択は、永遠に続く暗闇を招いてしまったのだ。
私は本当に、悪夢を見なくてよかったのだろうか?それとも、夢の中の恐怖が、私の命を蝕んでいるのだろうか。
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