
長編
天国からのお見舞い
けいすけ 2019年1月27日
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私達家族が高い熱を出すと必ず不思議な訪問者が来てくれて直ぐに体調が良くなる。
今回は、祖母と弟と私が体験した不思議なお話です。
一昨日、一番下の弟拓也(仮名)がインフルエンザに感染してしまい職場より帰宅。
予防注射をしていたのだが、かかってしまったようだ。
バスで帰宅したが、そのまま二回の部屋に直行。
食事は寝室で食べているようだ。
寝る前に御手洗いに行くと、台所で弟とあった。
…顔色が悪くて歩くのが酷そうな位高熱があるのだろう。
何時もは元気な子がこんなに苦しそうで心配だった。
「大丈夫?ポカリとかアイスとゼリーとかあるから食べなさいね。持って行くからLINE寄越しな。食べたいものは買いに行くから言ってね。」
「有り難う姉ちゃん。お休み。」
そうニッコリ笑い部屋へ弟が戻って行く。
同室の祖母も1週間前に風邪を引いてしまい、医者にかかるも中々治らないようだった。
咳と痰と微熱で苦しんでいた。
隣で寝ていても何も出来ない自分。
肺炎にかからないか不安だった。
私もその時は風邪の症状と月のものが重なり中々酷いダブルパンチでダウンしてしまいました。
幸い、職場が改装中でしたので休みに入った日からダウンしたのでタイミングはある意味ついていました。
…間が悪くて病院が休みの先週の土曜日に祖母と私は寝込みましたが、夜は祖母が心配で眠れませんでした。
私は3日で楽になりましたが、祖母がまだまだ治っておらず苦しそうな咳をしていました。
そんな私達を支えてくれた家族の他に救世主が数名降臨しました。
先ずは…最初にダウンした私。
月のモノの痛みと風邪の症状とでごちゃ混ぜの苦しみと苦戦していました。
魔の2日目にお昼寝をしているときに夢の中に姉(水子で一番上の姉)が出て来ました。
「大丈夫?栞はたまに風邪と月のモノが重なってしまうね。可哀想に…痛いんだか苦しいんだかワケわからないよね。でも、自分も苦しい筈なのにばあちゃんの心配して優しい子だね。私達は楽にすることは許して貰えたから安心して。あっ…でもね、普段の月のモノは栞がちゃんと向き合わないと駄目だから私はスルーするけど、今回は特別だからね?半分お姉ちゃんが代われれば良いのに。ごめんね。痛いのに仕事頑張って自分だってキツいのに他のキツい人を気遣って…ちゃんと見ていたよ。ばあちゃんと拓也も今は苦しくても祖父ちゃん祖母ちゃん軍団と伯父さん伯母さん軍団が派遣されるから安心してね。」
…と、優しく微笑み頭を撫でてくれました。
「食欲無ければ、果物はどんどん食べなさい。お父さんとお母さんに甘えなさい。」
と言うと光の中に入って行きました。
其処で夢が終りました。
身体は少し楽になっていました。
「果物は食べられるかな?栞の大好物の苺だよ。」
「食べられる物は少しでも食べなさいね。」
両親の優しい気遣いに涙が少し出た。
両親の愛情と姉の愛情で体調は持ち直せました。
そんな私の傍らでまだしつこい風邪に苦しむ祖母…。
朝、お線香を上げたときに姉にお礼と祖父に祈りました。
「祖父ちゃん、祖母ちゃんが苦しそうで可哀想だし心配だから助けて。見ているの辛いよ。」
そう呟きながら、手を合わせ祈りました。
目を開けたときに、確かに見ました。
祖父ちゃんの遺影の周りに光るモヤモヤが浮かんで、遺影の祖父ちゃんが優しく微笑んでいます。
助けてくれる…そう確信しました。
その日の晩に、私は目を覚ましました。
すると、祖母の枕元に祖母とそっくりの顔立ちのお婆さんが居ました。
オレンジ色の優しい光の中に包まれ、祖母の枕元に正座していて祖母の頭を撫でていました。
私の視線に気が付くと、ニッコリ笑い大丈夫と言うように頷きました。
その後、寝ている私を祖母とそっくりの声の主が頭を撫でながら「有り難うね…自分も具合悪いのにばあちゃんを気にかけてくれたね。優しい娘に育ってくれたね。」と言い枕元を通り過ぎました。
…祖母はその日の朝に回復して、後は軽い声枯れのみでした。
一方、弟はインフルエンザにかかった一昨日の晩に高熱のために意識が朦朧としていました。
しかし、一晩で回復していました。
身体は丈夫な子なので治りは早いようでしたが、どうやらそれだけではありませんでした。
「そう言えば、拓也がこんな話をしていたのよ。」
…と、祖母がこんな話をしてくれました。
一昨日の晩に弟は高熱のために意識が朦朧としていました。
駄目だ…と思った時だそうです。
弟が寝ている布団の横に祖父と見たことがないおじさんと大叔母(祖母の姉)が座っていたそうです。
「祖母ちゃんを大事にしてくれる優しい子だね。」
「有り難うね。」
「拓也は優しい子だから、祖父ちゃん達が助けてやるからな。安心しなさい。」
と言い消えたそうです。
目が覚めると、身体が一気に楽になっていたようでした。
「栞と拓也はばあちゃんを大事にしてくれる優しい子達なのを上から見ていて分かっているから助けてくれたんだね。心配していたから安心したわよ」
…と、祖母が嬉しそうに微笑みながら話してくれました。
傍らで無意識に涙が出ている私…。
優しいのは貴女方に似たんだよ‼
こんなひねくれのじゃじゃ馬でも大切にしてくれるからだよ‼
そんな貴女方を選んで産まれて大正解‼
夕飯後に彼氏の話で祖母とガールズトークをして笑いました。
「村田のじいちゃんが連れてきたから間違いは無いわね。私の可愛い孫娘を大事にしてくれそうね。ま…泣かせたら祖母ちゃんが許さないけどね。」
…何時もの祖母ちゃんに戻ってくれたので、風邪は出ていったようです。
明日、お礼に美味しいお供え物を買って来よう。
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