
冬の夜、帰宅の途上、ボクは古いトンネルの出口で電車を待っていた。周囲は静まり返り、冷たい風が抜ける。突然、何かが起こった。目の前で、最悪の光景が繰り広げられた。
一人の若い女性が、トンネルの奥から飛び出し、電車の進行方向に向かって走り出した。彼女の表情は恐怖に満ち、目は焦点を失っていた。驚きと恐怖で息を呑んだ瞬間、彼女はトンネルの壁に激突した。音もなく倒れ込む彼女。その一瞬で、周囲の空気が凍りつく。
ボクは一瞬、何が起きたのかわからなかった。通行人たちも凍りついたように動かず、ただ見つめるばかり。彼女の体は、トンネルの壁に激しく打ち付けられ、その瞬間、周囲には血しぶきが飛び散った。まるで、トンネルが彼女を吸い込んでしまったかのようだった。
しばらくしてから、ボクは冷静さを取り戻し、誰か助けを呼ばなければと考えた。周囲の人に目を向けると、誰もが恐怖に押しつぶされている様子だった。ボクは近くにいた一人の青年に声をかけ、「君、すぐに駅員を呼んでくれ!」と指示した。
そこに倒れた女性の近くに行くと、彼女の呼吸は止まっている。心臓が止まっているかもしれない。ボクはAEDを探し、近くの人に持ってきてもらうよう頼んだ。周囲は混乱し、声が響くが、誰も動こうとしない。
AEDが届くと、ボクは思い切って彼女の服をめくり、電極を貼り付けた。周囲の人々が見守る中、AEDが自動診断を始める。「カラダニ触ラナイデクダサイ…心電図ヲ調ベテイマス…」
「電気ショックガ必要デス…」
ボクは声を張り上げ、周囲に指示を出した。「今から電気ショックを与えます!少し離れてください!」
青年がボタンを押すと、静寂の中に衝撃が走った。その瞬間、彼女の体がびくっと反応した。ボクはすぐに胸骨圧迫に入った。何度も、何度も、心臓を再起動させようとした。
その時、ボクの視界の隅に何かが動くのを感じた。トンネルの奥、暗闇から、何かがこちらを見ている。目が合った。そこには、彼女を襲うように見える何かがいた。暗闇の中から、真っ黒な影がこちらを見つめていた。
不気味な笑みを浮かべたその影は、まるで彼女を道連れにしようとしているようだった。ボクはぞっとした。まるで、彼女が助かることを望んでいないような、そんな視線が向けられていた。彼女が生き返れば、影は彼女を引きずり込むのだろう。
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