
高校生の私は、放課後に友人たちと一緒に、近くの古びた植物園に足を運んだ。ここは昔から廃墟のようになっていて、誰も近寄らない場所だったが、私たちはその神秘的な雰囲気に惹かれた。
ある日、薄暗い温室の中でひときわ目を引く奇妙な花を見つけた。その瞬間、ふと背後から声が聞こえた。
「その花、面白いでしょう?」
振り返ると、白髪の老婦人が立っていた。彼女は優しそうな笑顔を浮かべていたが、どこか不気味な印象もあった。
「はい、でもこんな種類は見たことがないです。」
「私も子供の頃、植物が大好きだったの。特にこの花は特別だから、少しあげるよ。」
そう言って、婦人はスーパーの袋を差し出した。中には、様々な珍しい植物の標本がぎっしり詰まっていた。私は興奮し、思わずその袋を受け取った。
「これを育てるのは簡単だから、ぜひ試してみて。」
婦人はそう言い、私が袋を持つと嬉しそうに微笑んだ。私はその日、自宅でその植物を育て始めた。彼女の言葉を信じて、丁寧に世話をした。だが、次第に異変が起こった。
数日後、植物は異常なほどに成長を続け、周囲の他の植物を圧倒していった。さらに、なぜか家中の植物が次々と枯れていくのを感じた。
ある晩、私は袋の中にあったもう一つの標本を取り出してみた。それは奇妙な形をした根だった。
恐る恐る触れてみると、根は温かく、まるで生きているかのようだった。私はその瞬間、何か悪い予感を抱いた。次の日、私はその根を水に浸すことに決めた。
水に触れた瞬間、根は生き生きと動き出し、まるで私を引き寄せるように見えた。私は不安を感じながらも、その様子を見守っていたが、突然、根が私の手を掴むように伸びてきた。
驚きと恐怖に駆られ、私は根を引き剥がそうとしたが、全く離れなかった。結局、私は力尽きて根を引き剥がすことができたが、その時にはもう手のひらに深い傷ができていた。
それからというもの、私は植物に対する興味を失った。その日から、植物園には二度と行かなかった。あの老婦人が何を企んでいたのか、今でもわからない。ただ、彼女の笑顔が忘れられず、今でも植物を見るのが怖い。
息子が成長するにつれて、彼に植物を教えてやれない自分が悔しい。私の心の奥にある恐怖は、彼に伝えられないまま、ずっと息を潜めている。
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