
長編
404号室
匿名 2014年1月6日
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これは、私が高校二年の夏に、体験した出来事です。
私の父と母が、海外に出張することになりました。本当は、私も一緒に海外に行くところだったのですが、せっかく受験に合格して入った高校だったので、私は、「一人暮らしをする!」と言って、アパートの一部屋を借りました。
父と母は、私が一人暮らしをすると聞いて、あまりいい顔はしませんでしたが、料理下手な母の代わりに、いつもご飯を私が作っていたので「まあ大丈夫だろう。」と、父が許してくれました。
そして、夏休みのある日、借りたアパートに引っ越してきました。
私はそこで、自由に暮らせることがうれしかったです。
何をしてもいいのです。(ペットはダメっていうところは、残念だけど)
家具はほとんどおいてあるし、私は本が大好きなので、本がたくさんあります。さすがに本棚までは無いだろう。と思っていたのに、本棚までもがあったのです。これには驚きました。
私は、一度引越しの片づけを取りやめて、大家さんに挨拶に行きました。
大家さんはちょうど家にいて、すぐに出てきてくれました。
「今日、404号室に引っ越してきました。美作です。よろしくお願いします。」
「あ、来てくれたのね。よろしく。でも・・・404号室ね・・・あ、気にしないで。」
大家さんは、あいまいな会話で終わらせて、家に引っ込んでしまいました。
私は大家さんの態度が気になりました。
しかし、そんなことを気にしている暇もなく、夏休みももう終わりました。
久々に友人と会った私は、一人暮らしを始めたことを友人に話し、今日、友人が遊びに来ることになりました。
私は、部屋に入り、友人を待ちました。
そして、その五分後、盛り上がって友人が入ってきました。
しばらくキャッキャしていましたが、一人の友人が、口を開きました。
「ねぇ、里奈のこの部屋って、まさか、404号室じゃないよね?」
「え?そうだよ?え、見なかったの?(笑)」
私だけが笑っていて、ほかの友人は、どんどん青くなっていました。
そして、もう一人の友人んが口を開きました。
「404号室って、死の部屋って呼ばれてて、その部屋に1ヶ月住んでいた人は、死んでしまうっていううわさがあるのよ。」
「え?ただのうわさでしょ?大丈夫だよ。そんなだったら、この部屋、誰も使わないじゃない。」
しかし、私は少し突っかかっていました。
このアパートは、巷では人気のアパートで、いつも、ここのアパートの部屋を借りたいっていう人が居るらしいのですが、404号室だけ空いているというと、
「じゃあいいです・・・」と、断る人が多いらしいのです。
友人が言っていたことは、本当にそうなのでしょうか。
あいまいなままでは嫌だと思い、勇気を出して、大家さんに話すことにしてみました。
大家さんの家に行って、大家さんを呼びました。
「あの・・・この間、挨拶に伺った美作ですが、404号室って、どんな部屋なんですか?」
私が聞くと、大家さんは少し青い顔で考え込んで、口を開きました。
「404号室は・・・昔、404号室に住んでいた女の子が、いじめられていて、そのいじめが、酷いいじめで、404号室で自殺したの。
だから、今、いじめにもあっていない、404号室に入ってきた人を、殺してしまうらしいのよ。」
私は、顔が真っ青になっていくのを感じました。
私はいじめにあったことがありません。むしろ、友達は多いし、いつでも、楽しく暮らしています。
クラスでも、いじめられている人はいません。
この部屋に居たら、いつかは殺されてしまう・・・
私は怖くなりました。
しかし、引っ越し先が決まらず、友人が言っていた一か月も、あっという間に過ぎてしまいました。
私が部屋に帰ると、部屋の中は荒らされていました。
しかし、ものは何も取られていないようでした。
片づけをしていると、何か長いロープのようなものと、長い髪の毛が落ちていました。
不気味に思い、その周辺を見渡しました。
すると、少し高い椅子が、転がっているのが見えたのです。
もしかして・・・私は、こう考えました。
この長いロープと、少し高めの椅子を使い、首をつって自殺したのではないかと。
しかし、とりあえず片づけを終えたいと思い、片づけをして、お風呂をわかそうと、お風呂場に行きました。
すると、お風呂が真っ赤になっていました。
触ってみると、血のようでした。
私は怖くなり、部屋から飛び出しました。
そして、友人の家に向かいました。
「里奈っ!?」
私は友人に飛びつき、泣きました。
少し落ち着いたところで、大家さんの家に向かうと、「やっぱりね・・・」と言われました。
大家さんの話によると、その女の子は、色々なやり方で、自殺しようとしていたらしいのです。
リストカットをして、床を血だらけにしたり、お風呂の水を真っ赤にしたり。
最後には、首をつって、この世を去ったのだそうです。
私は父と母に連絡をして、高校を出て、海外で一緒に暮らすことにしました。
あとで聞いた話ですが、私の後にきた人は、その話を信じないで、その部屋で暮らしていたそうですが、原因不明の病になり、亡くなってしまい、404号室は、取り壊しが決まったそうです。
その場所には、もう部屋を作ることはしないようにしたようでしたが、いまでも、その部屋があった廊下を通る人は、すごく怖がって通るそうです。
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