
私は美咲、大学入学を前に新しい一歩を踏み出そうと、一人旅に出ることにした。
冬の寒さを避けるため、温暖な南方へ向かうことを決めた。ヒッチハイクで旅をすることにしたが、親は心配し猛反対したものの、毎晩連絡することで許可を得た。
キャンプ道具を詰め込み、寒空の下、私は山道に立つ。歩道に立って「南へ」と書かれた大きな画用紙を掲げる。冷たい風が頬を撫で、通り過ぎる車を恨めしげに見つめていた。やがて、音を立てて止まった一台のキャンピングカーが目に入った。運転席に座っているのは、優しそうな中年の男性だった。
「お嬢さん、一人旅かい?」
「はい、そうです」と私は答えた。彼は笑顔で「南の方へ行くから、乗っていくか?」と誘ってくれた。寒さに震えながら、私はその好意に甘えることにした。
運転中、彼は終始優しく話しかけてきた。白いシャツに派手なネクタイを締め、陽気な雰囲気を醸し出していた。しかし、後部座席からは何かが聞こえてくる。まるで誰かが呻いているようだった。
「後ろの方に誰かいるんですか?」と尋ねると、彼は「家族がいるんだ」と言った。振り向いても、仕切りがあって後ろは見えなかった。すると、背後から女の声が聞こえてきた。「お腹が減ったよ、何か食べるものないの?」
おじさんは少し不機嫌そうに舌打ちし、私に目を向けた。「年寄りはすぐ腹が減るんだ」と言い、再び運転に戻った。しばらくした後、彼はコンビニに立ち寄り、「ちょっと買い物をしてくる」と言った。私は「大丈夫です」と答えた。
彼が車を離れた瞬間、私は後部座席を覗いてみることにした。暗い車内には、何か異様な雰囲気が漂っていた。古びたテレビがあり、画面には何かの映画が流れている。だが、そこにいるのは二人の女性。彼女たちは身動きできないように見えた。驚愕し、思わず悲鳴を上げた。彼女たちは衣服を着ておらず、首には鎖がかけられていた。
その瞬間、運転席のドアが開く音がした。おじさんが戻ってきたのだ。彼は私を見て笑うと、「出発だ」と言ってエンジンをかけた。恐怖に襲われ、私は窓から逃げ出そうとしたが、彼は急にハンドルを切り、車は衝突した。意識が薄れていく中、私の目の前には、あの二人の女性が見えた。
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