
短編
トイレに棲む者
匿名 2日前
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俺の勤める会社はとある雑居ビルの2階と3階に事務所を構えており、俺の部署は3階にある。
ビル自体は築35年ぐらい経っていて古臭い。低い天井には蛍光灯が並び、トイレには冷暖房もなく、壁も床も冷たい洒脱的なタイルが貼り付けられ、薄暗い。
そのトイレで、ここ一年ぐらい、俺はちょいちょい妙なものに出くわすのだ。
最初に異変を感じたのは、朝いちばんに会社に来た俺が用を足しにトイレに入ったとき。
トイレには、入って右側に個室がふたつ並び、左側には手洗いと鏡がある。その日は当然朝いちばんなので俺以外誰もいないはず。
なのだが、鏡越しに映る個室の便器に、誰かが座っている姿が一瞬見えた。
驚いて個室を振り向くと誰もいない・・。
便器に座っていたのは黒い影のような姿をしていて、大きさは小学校高学年の子供ぐらいだった。
それから、俺は何度か同じことを経験した。
鏡越しに子供位の大きさの影が便器に座っているのが一瞬見えるのだが、二度見するといなくなる。
正直怖さもあったが、いつしかそれほど気にならなくなっていた。
「気のせいだろ」そんな風に思っていた。
そしてこれはつい最近のこと。
いつものように朝一番で出社し、誰もいない事務所の電気をつけて、用を足しにトイレに行った。
トイレも真っ暗なので電気をつけてから、入って正面にある小便器の前に立つ。
そして用を足している最中に、急に鳥肌が立った。
「え?」
すると目の前のタイルに反射した俺のすぐ後ろに、子供が立っているのが見えた。
黒い子供サイズの影が、用を足す俺のすぐ後ろに立っていたのだ。
「!!」
驚いて咄嗟に振り向くと、そこには何もいない。
やばい、怖い!
俺はさっさと用を済ませて手を洗い、トイレを飛び出した。
あれから3階のトイレが怖くて、俺は毎回2階のトイレに行っている。
そんな話を上司にしたところ、上司は急に真剣な顔をして言った。
「実は、ちょっと前に企業のお祓いとかをやってる霊能者にオフィスを見てもらったんだけど、その時にその人が、このビルが近くの○○神社の霊道に当たっているとか言って、特に3階のトイレが浮遊霊のたまり場になってるって、言ってたんだよ。その時お祓いしてくれてるはずなんだけどな・・」
頼むぜ、霊能者・・・・・
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- 「俺」やから読むの辞めるんかいwみぃ&いつ♡
- 一人称「俺」だから読むのやめたあー