
長編
遺影
匿名 10時間前
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尽さに、僕も泣いた。『ひいおじいちゃんが、僕じゃなくてミキちゃんを見ただけだ』 といくら説明しても、両親は信じてくれなかった。他の大人たちもそうだった。
ミキちゃんは、それから僕と話もしてくれなくなった。一応後日仲直りはしたけれど、その時は、僕は大人たちに問答無用で嘘つきの烙印を押され、何だか無性に悲しかった。
けれども、その中でただ一人、眠っていて、騒ぎに乗り遅れた曽祖母だけは、夕食の後、落ち込んでいた僕をきにかけてくれて、僕の話をうんうんと頷きながら聞いてくれた。
「そおかあそうかあ。そらあ、貧乏くじを引いてしもうたのう」
僕の頭を優しく撫でながら、ひいおばあちゃんは静かにこう言った。
「この家には男が多いけんのう……。子供も親戚も男ばあよ。あの人は、娘が欲しい欲しい言うとった。……きっと男の子のおまんよりも、女の子のミキの方が可愛い思うたんやろうねぇ……」
理不尽だ。
僕はまた泣いた。
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- やっぱり男の子よりも女の子の方が可愛いっていって当然だよね。でも悲しいね。ぼんばー50
- あちゃー…匿名
- 最後のお婆ちゃんの言葉で笑ってしまった( ̄▽ ̄;)sora
- 不憫な僕ちゃん…新耳
- どうゆうこと?璃叶
- かわいそうに…。ぼくくん
- 予想できてしまったあな