
今でも思い出すと背筋が凍る、数年前の出来事。
冬の冷え込む夜、友人たちとともに大学の高層ビルの一室で過ごしていた。夜遅く、私たちはお互いの怖い体験を語り合うことにした。部屋の明かりを消し、窓からの街の光だけが頼りだった。
私がある夢の中での不気味な体験を話した後、友人Aは最近聞いた都市伝説について語り始めた。最後に口を開いたのは友人Bだった。
「俺の地元には、行ってはいけない場所があるんだ。」
彼はゆっくりと話を続けた。彼の故郷は、私たちの大学から車で1時間ほどの距離にある小さな町だ。そこには古い神社があり、近づくと何か不気味な感覚に襲われると言う。
「その神社、地図には載ってるし、みんな知ってるはずなのに、どうしても行けない。近づくと、スマホの画面が乱れたり、電源が落ちたりするんだ。」
彼はその神社に行こうとするたび、何かに阻まれる気がすると言った。私たちは半信半疑で聞いていたが、友人Bの表情は真剣だった。
「俺には、守護がついているって神社の神主に言われた。俺がその神社に近づくのを阻止しているんだって。」
その言葉が、部屋の空気を重くした。私たちは笑うことも忘れ、ただ静かに彼の話を聞いていた。
「……終わり。」
友人Bが話を締めると、軽い空気に戻り、みんなで笑い合った。だが、その時、友人Aが突然、スマホを耳に当ててつぶやいた。「……え? これ、何?」
「どうしたの?」と声をかけるも、彼は動かず、震える声で言った。「録音してたんだ。俺たちの話を……でも、Bの話だけ、すごいノイズになってる。」
私がスマホを受け取り再生した瞬間、心臓が止まる思いがした。私と友人Aの声ははっきりしていたが、友人Bの部分は、まるで何かが混ざり込んでいるかのように、異様な音に変わっていた。
その声は高く、細く、耳に不快な感覚を与えるもので、友人Bの声とは明らかに異なっていた。私たちは一斉に再生を止め、沈黙が流れた。
「……ほらな、俺は守られてるんだ。」 友人Bの言葉は、どこか嬉しそうで、しかし冷ややかだった。
次の日、友人Bは大学に来るはずだったが、急に体調を崩し、病院に運ばれた。診断は食中毒だったが、何を食べたのかはわからないままだった。
彼が退院した後、あの録音は端末ごと消去されていた。
「なぁ、あの神社、もう一度探してみたんだけど、地図から消えてた。」 彼のその言葉が、私の背筋を凍らせた。彼は、もう二度とその場所に近づかないと言っていた。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。

