
(「4人の絆」の続き)
・・
その日、英語の論理・表現IIの授業の前。
博正は教室に桜子を見つけると、少し緊張しながらも話しかけた。
「山倉さん。」
「細野くん?」
桜子も博正から急に話しかけられて戸惑っていた。
博正が黙ったままなので、桜子は適当に話題を考え
「そうそう、今日の小テストなんだけど勉強してきた?」
「い、いや。まだだけど。」
「私も全然なんだけど、ここが出るんじゃないかなぁっての教えてあげるよ。」
「あ、ありがと・・」
桜子の英語のテキストを見ると、あちこちにマーカーやメモが書いてあった。
(すごい!どれだけ勉強してるんだ?)
一方、やや雑な独特な字でメモの書き方や書く場所もあまり整理されていなく、マーカーも何を基準に引いたのかカオスな感じもするが・・。
「いーい。時間がないからちゃんと聞いてね。まず不定詞のここが出ると思うんだよ。あと、ここは原型にするだけだからそんな難しくないと思う。あと、ここは・・」
メモとは対照的に桜子の説明は要点を絞ってまとめられていた。
その後の小テストは割と手ごたえがありいつもより3割以上はできていた感じだった。
授業が終わり、博正が自分の教室に戻ろうとすると
「細野くん。」
桜子に呼び止められ、
「今日の小テストできた?」
「うん。山倉さんのおかげで結構できたよ。」
「それはよかった。」
桜子は可愛らしく微笑んでいた。
そのあとは何故か2人とも黙ったまま立っていた。
気まずく感じた博正は
「じゃあ、もう行くね。」
「うん。」
桜子は博正を見送りながらももどかしそうにしていた。
・・・
その日の放課後。
博正は1組の教室から出てテニス部の部活動に向かっていた。
廊下の途中で桜子が待っていた。
「細野くん。」
「山倉さん?こんなところでどうしたの?」
「細野くん。次の土曜日って空いてる?」
博正も心臓が高鳴る。
「空いてるけど、どうしたの?」
「よかったら、どっか行かない?」
博正は喜んだ。女の子から誘われる、まして気になっていた子からなんて・・。
「いいね!行こうよ!」
桜子も満面の笑みになり、
「ありがとう!どこ行こうか。」
「・・色々ありそうだけど、映画とかどう?」
「映画?良いね。私も行きたい!」
「じゃあ決まりだね!」
2人はLINEを交換し、
「何かあったらまた連絡するね。」
「うん。分かった。」
2人はそれぞれの部活に向かったが、ずっと嬉しそうに歩いていた。
後日談:
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