
長編
一番ダメなこと
テツ 4日前
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この話は三重県にある青蓮寺ダムという有名な自殺スポットにまつわる話です。
みなさん子供の頃、お母さんお父さんに叱られた記憶があると思います。
その叱られた言葉の言い回しは独特なものがある筈です。例えば、関西で定番なのは、『あんたなんか橋の下でひろてきたんや!うちの子ちゃうわもう!』などなどテレビでも出てくるような少し面白い変な言い回しがあると思います。
私の家庭の場合は『あんたなんかダムでひろてきたんや!次悪いことしたら返しに行くからな!』でした。当時は怖くて仕方がない言い回しでしたが、今となっては愛を感じます笑
ですが一度だけ、本当に連れて行かれ、置いて行かれたことがありました。
とある夏のある日、小学校低学年だった私は一つの約束を破ってしまいました。
それは夕方6時までに家に帰ることというごく普通の門限でした。
その当時カブトムシやクワガタムシ、カナブンなど、よく取れる木が家の前の森の中にありました。
森の中なので蛇や、マムシ、あとヒル、マダニに噛まれて怪我をしてしまうということでロープの張られた森の中にありました。
夜になると田舎なので真っ暗、街頭も無い。ケータイもまだピッチがではじめた頃なので全くの明かりがないところを帰ってこなくてはならなくなるので危ないという判断で門限があったそうです。
今思えば比較的危険なところでよくあんな時間まで友人と取りに行けたなと思います。
その日、親がいないことをいいことに8時ごろまで取っていると遠くの方から父の声で『たっくんー!かいー!』と呼ぶ声が聞こえました。(たっくんとは私の生まれた頃からほぼほぼ一緒に過ごした旧友です。)
父の声も半ギレで渋々森から出て帰ることになりました。
向こうのお父さんは寛大で、場所が割れていれば何時だろうが構わないというような方で私の旧友を連れてニコニコしながら帰って行きました。
ですが私の父は怒り心頭。こっぴどく怒られたのを覚えています。
怒られて終わりかと思いきや『あんたなんかダムからひろてきたんや!』『三回やったな、もうええ返しに行く!』と言われダムまで連れて行かれました。
私も反抗期だったのか、連れて行かれる車の中で叱られながらもシュンとすることもなく意地を張っていました。すると父は『もう知らん勝手にせぇ』とわたしを車から引きずり出そうとしました
さすがに私も置いていかれるのは嫌だったので『ごめんなさい!もうしません!ウワァァ
後日談:
- 大学に入るまで、この話は話さずに生きてきました。何となく話してはいけないような気がしたのです。 ですが大学に入ってからこの話を人に話すようになり、想像以上に受けが良く、自身の中でもけじめがつき、友人にも投稿をすすめられたことで、当時の私は投稿することに決めました。 ですが一つ内容に入れ忘れている事がありました。ダムでの事件の事です。 昨年私は20歳を迎え、ふとこの掲示板に一年前(二年前かな)自分が投稿したことをおもいだして自身の投稿時の名前のダムハットという名前でネットを探してみることにしました。すると割とすぐに見つかり読んでくださった人たちもたくさんいることに驚きました。ありがとうございます。 その流れで、私はあの日のダムの上で起こった出来事が一体何だったのか調べてみることにしました。 私は、その記事を見るまで完全にその事件を忘れていました。思い出すべきでもなかったと今は思っています。 私が父に迎えに来てもらった次の日、ちゃんとニュースになっていたことでした。震え上がったことも思い出しました。 調べなければよかった事実でした。 2017/6/14現在
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- うちは近所の森から拾ってきただったなー。 未だに通勤で森の前通るが、でかい道路沿いなのに何十年も森のまま。なんかある森だったのかな?あ
- 取って付けた様な最後の余談いらない・・・(リアリティー出そうとして失敗する典型)ニャー
- おじ様、素敵やんイリミナ
- 素敵なジェントルマン匿名
- 紳士のおじさま素敵たま
- 紳士的幽霊っているんだなぁ〜 頭に血がのぼってる親をあんな 呼び出し方はナイス!恐怖の食欲の冬
- いい幽霊さんだ。とめいとぅ
- なにが面白いって、 そんな呼ばせ方しれっと家庭内で通用するカラーじゃあ、 どう考えてもなさげな地域の話っぽいのに語り部が"パパ"って呼んでるところ(笑)トモアリ
- おじさんくわはらあゆむ
- おじさんが優しかったんやな よかったな藍様