
中学生の頃、友人たちと冬のスキー旅行に出かけました。帰り道の途中、ふと立ち寄った山小屋には、古びたアンティークの椅子がたくさんあったのです。
その小屋は静まり返っていて、まるで時間が止まったかのようでした。雪の降りしきる外とは対照的に、薄暗い室内には何か不気味な空気が漂っていたのを覚えています。
友人たちは外で遊ぶと言って出て行き、私は一人、小屋の中を探検することにしました。すると、奥の部屋に一際大きなロッキングチェアが目に入りました。埃をかぶったその椅子は、まるで誰かがそこに座っているかのように見えました。
好奇心に駆られ、私はその椅子に腰を下ろしました。すると、ふわっと眠気が襲い、意識が朦朧としていくのを感じました。まさかこのまま寝てしまうなんて思いもしなかったのですが、いつの間にか夢の中に引き込まれていきました。
その夢の中で、私は誰かに呼ばれる声を聞きました。「ここで待ってて、すぐに来るから」と、その声は優しさを含んでいました。目を開けると、母が私の肩を揺らしています。「大丈夫?」と心配そうに顔を覗き込んでいました。
外に出ると、友人たちが私を心配して集まってきました。「あの椅子に座ってたんだって?」「いい夢見れた?」と、皆が笑っていましたが、私にはその笑いがどこか異様に感じられました。
日が経ち、母にあの小屋のことを聞いてみると、彼女はその場所にまつわる祖母の昔話を教えてくれました。かつて祖母が言っていたのは、あの小屋には亡くなった曾祖父の魂が宿っているというものでした。彼は生前、優しかったが、晩年は認知症に苦しんでいたと聞きました。
母は、私が椅子で眠っていたとき、何かを感じたそうです。目を閉じている間に、曾祖父が私のそばに現れ、「彼女は大丈夫だ」と微笑んでいる姿が見えたと。母はその光景を見た瞬間、涙が溢れてきたと言います。
「優しかったおじいちゃんが、やっと安らいでいるのかも」と、母は語りました。それを聞いた瞬間、私も何かが胸の奥で温かくなりました。
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