
長編
未来の覗き見
しる 3日前
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マシになった。
チャリのタイヤはガラスの破片を踏んでパンクしてしまったようで、ガッコンガッコン音を立てている。
家族はどうしているだろうか。
大丈夫だろうか。
家は崩れちゃったかな…
なんて考えているうちに、すっかり忘れていた5人の友達のことを思い出した。
そうだ、あいつらはどこに行ったんだ?
この地震で、広場に避難してるのかな?
それなら合流しなきゃ。
少しスピードを上げて広場へ向かう。
と、1人のおじいさんとすれ違った。
おじいさんって書いたけど今思うと50代くらいの人だったかもしれない。
そのおじいさんはなぜか俺の名前を呼んだ。
え?知り合い?でもこんな知り合いいたっけ?親の知り合いかな?なんて思っていると
『バレないうちに早く帰りなさい』
と言って、変なカラフルな棒付き飴をくれた。
よくわからないけど、適当に受け取った。
その飴を口に入れた瞬間、目の前が大量のフラッシュ焚いたみたいに真っ白に光った。
多分1分以上その状態が続いたと思う。
やっと光がおさまって目を開けると、手に持っていたはずの飴がない。
そして地震で崩壊したはずの街が元通りになっている。
もしかして…と思って商店街に行くと、そこは俺が知ってるいつもの商店街だった。
ちゃんと金物屋も開いてて店の前にはガチャガチャが2台置いてある。
変な夢でも見たのか?と思ったけど、チャリはパンクしてて押すとガッコンガッコン音を立てる。
訳がわからなかった。
広場に行くと友達5人が輪になってヒソヒソ話していたが、俺の姿を見ると「お前、どこ行ってたんだよ!」と半泣きで叫んだ。
彼らの話によると、チャリで並んで広場に向かう途中で急に俺がチャリごと消えたらしい。
当時の小学生は携帯なんて持ってなかったしから、親に言うか警察呼ぶべきか、でもその場合なんて説明するかで話し合っていたらしい。
俺はさっきの奇妙な出来事のことは話さず、チャリがパンクしたからどうのこうのと適当に説明した。
みんな最初は不審がっていたが、信じてくれたようでその後はいつものように遊んだ。
それから数年経ち俺が中学生になった頃、金物屋の主人が体を壊したとかで金物屋が閉店し、それに次ぐようにいくつかの店が閉店した。
うちは特に八百屋に世話になっていたので、八百屋が潰れたのは結構ショックだった。
この八百屋は建物自体の老朽化が激しかったからか、閉店してすぐに壊された。
その跡地は現在も売地にな
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- これ…スゴい体験ですね。タイムスリップとか現実にあるんだ…不思議。怖い。K
- 地震...怖いですねカツどん