
長編
黒い靄(もや)
あ 3日前
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2人とも中学生なので2人でなら
行っていいと言われたようで、必死に
頼まれると断れなかったので、渋々Sに
着いて行くことにしました。
もう時刻は夜9時を回っていて、田舎ですから
街灯もほとんどなく、あたりは真っ暗でした。
私達は貸してもらった懐中電灯とそれぞれの
スマホのライトで地面を照らしながらゆっくり
歩いて行きました。
神社の前に着くと、2人で社の周りを一周し、
写真だけ撮って帰ることにしました。
私は心霊的なものを一切信用しないタイプ
だったのでさして怖くありませんでした。
淡々と一周し、それぞれ写真をお互いに
撮ってもらい、帰ろうとするとSが、
「あ、先にスマホ返して」と言ってきました。
お互いに相手のスマホで撮っていたので
スマホを交換したまま持っていたのです。
私がSにスマホを返すと、急にSは神社へ
近づき、私とS両方のスマホのライトを
つけたまま神社を連写モードで撮りました。
そしてライブラリをチェックしながら
「何か写ってないかなぁ」と確認し始めました。
またしても呆れ返りましたが、私もなんとなく
気になってスマホを返してもらい、1枚だけ
フラッシュをたかずに1枚だけ写真を撮りました。
見てみると、そこには扉が開いた社の写真が
写っていました。
慌てて顔を上げて見てみると扉は閉まって
います。
そのアプリは自動保存の設定をしておらず、
もう1回見てみようとすると、驚いた拍子に
タスクを消去してしまったらしく
見ることが出来ませんでした。
私が神社の存在を知る前から別の場所で
肝試しをしたことがあって、私がSを
怖がらせて泣かせるということがあり、
女同士なのに私はこっぴどく怒られたので
今回のことは黙っておこうと思いました。
画質が悪いカメラなので私の気のせい
かもしれないという思いもあったのです。
結局その日は何事もなかったように
大人達のいる母屋へ戻りました。
室内で遊んでいる時も写真を撮り、
何十枚と撮っていましたが会がお開きに
なった後、疲れ切ってしまったので
その日は確認することなく眠りにつきました。
翌日、起きてからその写真を確認すると
1枚だけ、違和感のある写真がありました。
Sが私に後ろから抱きついている写真
なのですが、黒い靄(もや)のようなものが
私の腹部についていたのです。
昨日の写真が頭をよぎりました
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(5件)
- 実話です。 今年の夏も帰省の話が出ていますが このことが引っかかってしまい、 行くかどうかまだ迷っています。 信じてもらえないかもしれませんが。杏珠(あんじゅ)
- それは、ほんとうにあったことですか?みーたん
- よく読む筋書きですね匿名
- (´・д・) まあまあやな(´・д・)
- 怖かったのも伝わったし、読みやすかったです。ふ