
長編
儀式の呪縛
匿名 2024年2月16日
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人動くことなくろうそくをじっと眺め続けました。しかし、ろうそくの火はぴくりとも動きません。時間が経つにつれ、部屋の空気がますます重たくなりました。お笑い番組の音も全く耳に入ってきませんでした。Mの顔には焦りが浮かんでいましたが、最後の望みをかけて
「○○(Mの祖父の名前)、俺のじいちゃん、おいでください。いらっしゃったらろうそくの火を3本消してください。」
と再度唱えました。そしてしばらく待ちました。すると、突然部屋に異様な静けさが訪れました。
「あれ?誰かテレビ消した...?」
Aが呟きました。
「おい、そんなことしなくていいから。」
「お前だろ!」
「は?俺じゃねぇよ!」
全員顔が笑っています。何も起きないことをいいことに何か怖いことを起こそうとでも考えたのでしょう。しかし、
「いや、テレビのリモコンはソファの上に置いたはず...ここから誰も動けないんだから誰も触るわけがない...」
と、Mが下を向いて呟くと、全員がはっとして沈黙してしまいました。生暖かい空気をその瞬間感じたのを覚えています。
「じいちゃん...なの?」
とMは口を震わせながら虚空に向かって聞きました。
「え?じいちゃんなの?ほんと?え?」
Mは泣いていました。どうやら、本当にMの祖父を呼び出してしまったようです。私たちは今目の前で起こっている現象をただ見ていることしかできませんでした。誰も、何か言葉を発することはないまま、Mは言葉を続けます。
「じいちゃん...なんで死んじゃったの?そんなに病気悪かったの?治るって言ったじゃん!」
Mは子供のように泣きじゃくりました。
「え?嘘...なんで...そんなことが...」
いきなりMのぐしゃぐしゃな顔が豹変しました。驚きと怒りが混ざったかのような印象を私は感じました。
「...分かった...じいちゃんの恨み、俺が晴らすよ。必ず。」
Mは一言そう呟いて、持っていたライターでろうそくの火を3本つけてしまいました。私たち3人は唖然としました。Mが縁起をしているようには見えなかったからです。
「なにが...起きたの?」
初めてその沈黙を破ったのがAの発言でした。
「じいちゃんが...じいちゃんが俺に言ったんだ。自分はあの病院に殺されたって...恨みを晴らしてくれって...」
Mは再び泣き始めました。
「1人にしてくれ...すまん...今日のところは帰ってくれ...」
私たちは
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- 世間には伝わりませんが、高齢患者とその家族が病院を恨むのは良くあることです。私の父は3ヶ月入院して老人保健施設に入りましたが、1ヶ月で病院に逆戻りしました。肝臓に癌が転移して余命2月、手の施しようがないそうです。3ヶ月の入院中に癌の転移を見抜けない薮診療に憤りを禁じ得ません。高齢者が医療ミスで死んでも「どうせ寿命だった」で片付けられ、問題視されません。防空頭巾
- かってに南京錠壊すな、誰一人止めないのかこいつらDQNしかいないのか良識派