
そこは初心者向けの滑りやすいスキー場だった。ガチの雪山みたいに寒すぎることもなく、楽しくスキーができた。
レンタルの受付のところでウェアやブーツを借り、それぞれ更衣室で着替える。
そして、ゲレンデへ。
俺もスキー経験はあるが、まだまだ初心者だし、前回滑ったのもずっと前なのでおそるおそる坂を下っていく。
雪が積もっていながらも、晴れたいい天気で、空気の良さも楽しさを後押ししていた。
天気が良いと比較的暖かいので初心者が練習するには最高の時間だった。
昼くらいになると家族連れも増えてきて、小学生くらいの子供がゲレンデを滑っていることもある。
中には、下手な大人よりも上手い子とかもいて、途中で抜かれたりすると少し焦ったり。
ゲレンデの上から景色を眺めると、スキー場が綺麗なのは勿論、山々が見えるのも最高の見晴らしだった。
俺は楽しくゲレンデを滑っていた。
夕方くらいになるとだいぶ冷えてきて、夜になると照明もあるもののゲレンデの雪が固くなっているような感じだし、遅くなってもゲレンデで滑っているのは中級者以上が多いので、すぐ横を結構な速さで抜かれると少し怖く感じた。
そんななか、猛スピードで俺を抜くスキーがあった。速く滑れるスキーヤーは珍しくないが、そのスキーヤーはとてつも無く速かった。
俺はどんな人か気になったが、スキーヤーはあっという間に滑走し夜の暗闇の中に消えていった。
どんな人か分からないが、背が高く細い体の男性らしき人だった。
そのあとも、その速すぎるスキーヤーを見ることがあったが、あっという間にいなくなり消えていく。
リフトやゲレンデの上でそのスキーヤーを見ることはなかった。
次は見てやるぞと思ったとき、そのスキーヤーが俺を抜くと同時に、スキーヤーの行く手を追跡した。追いつくことはできなくても、どこに着いたか分かれば姿を詳しく見られると感じたからだ。
すると、奇妙なことが分かった。
スキーヤーは丘の下に近づくにつれて、姿が薄く見づらくなり、やがて暗闇の中に溶けるように消えていった。ゲレンデの下でそのスキーヤーをどんなに探しても見つからなかった。
・・
家に帰ってから調べてみると、昔そのスキー場でスキーヤー同士の衝突事故があり若い男性が亡くなったという。
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