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短編

思い出の夢

匿名 2018年2月25日
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これは私の母から聞いた話。怖いというよりかは不思議な話ですので、それでも良いという方はこのままお読み下さい。 私の母が大学生だった頃、母は道端で捨てられていた猫を飼っていました。母は猫が大好きで、その猫を大事にしていました。 その猫はよく外に出かけました。帰ってくる時は大概、他の猫と戦ったのか、ひっかき傷だらけで、そのたびに母は応急手当をしてやり、ひどい時は病院にも連れて行きました。猫の方はそれをどう思っていたかわかりませんが、自分の傷が治ると、また何処かに出かけていき、そして、お礼と言わんばかりに捕まえた大量の虫や、鳥の頭を母のもとに持ってくるのでした。母は苦笑いしながらも「ありがとう」とそのたびに褒めていたそうです。 そうして、そんな日が続いたある日、猫が外に出て行ったきり帰ってこなくなりました。一週間経っても二週間経っても帰ってきません。さすがに心配になった母は、その猫を探すことにしました。 必死に探して、ようやく隣町の空き地の草むらの中でその猫を見つけました。猫は血だらけになって倒れており、もう息をしていませんでした。母は悲しみながら、このままにしては可哀想だとしっかりと供養しました。 供養はしたものの、猫が亡くなったことがあまりにも悲しく、その日はなかなか寝つくことができなかったといいます。朝も近くなった時、ようやく母は眠りに落ちました。そして、夢を見たのだそうです。 暗闇の中に美しい赤色の着物姿をした誰かがいました。その人の周りだけは明るく、やけにはっきりと見えたのだそうです。着物を着ているのは誰なのか、近づいて見てみると、着物を着ていたのは、なんと、あの亡くなった猫でした。 着物を着たその猫は、こちらに向かって深々とお辞儀をし、こう言いました。 「こんな私を拾って、育ててくださり、ありがとうございました。そして、供養までして下さったのですね。おかげさまで、このような美しい着物を着て、向こうへ行くことができます。今まで大変、お世話になりました」 そう猫が言ったところで母は目が覚めました。母は寝ながら泣いていました。 猫がわざわざ伝えに来てくれたのか、それはわかりませんが、母は今でもその思い出をずっと大事にしています。

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