ある日、私のマンションの隣に住む若い奥さんが話を聞かせてくれました。 それは前にも聞いていた話の続きでした。 しばらく起こっていなかったあの奇妙で恐ろしい出来事が再び、奥さんの身に降りかかったのです。 しかし、今回はそれだけでは終わりませんでした。 奥さんの話はまたあの、ひっぱられる現象についてでした。あの一件の後、何事もなかったようですが、また最近になって起こりはじめたようでした。 奥さんがパーカーを着ていると、なんだか首元が苦しくなるときがたびたびあったり、パーカーのフードを誰もいないのに、後ろからぐいっと引っ張られる感覚があったそうです。 話を聞いていた私は、身近で起きている怪現象に怖くなっていました。 その話を聞いてしばらく経ったある日、 私は友達と近くの洋服屋さんに買い物に出かけました。 洋服屋さんで友達にペアのパーカーを一緒に買おう！と言われました。私は少し戸惑いながらも一緒にパーカーを選びました。 友達はグレー、私は紺色のパーカーで、お揃いのロゴが入ったものでした。 友達が似合うかな？着てみようよ！と言ったので私と友達はそれぞれ試着室に入りました。 試着室でパーカーに着替えた私はふと鏡をみて驚きました。 鏡には私の他にもうひとり、後ろに少女が立っていたのです！ はっとして振り返りましたが、試着室の中には私しかいませんでした。 わたしは怖くなって試着室のドアから出ようとした時です。 着ていたパーカーのフードを後ろから誰かにぐいっと掴まれました。 驚いて後ろを振り返るとそこには先ほどの少女が立っていたのです。 私は離してっ！と少女の手をふりほどこうとしましたが、少女はそのまま私のパーカーのフードを引っ張り続けます。 そのまま少女のすごい力で試着室に引っ張りこまれた私は助けを求めました。 しかし、フードを引っ張られ、首元をぐいぐい絞められているので声がでませんでした。 そのまま首を絞められた私はさらに必死にもがきました。 やがてぱっと少女の手が緩み、ふりほどくことができました。 いつの間にか少女はどこにもいませんでした。 私は急いで試着室から飛び出しました。外でウロウロしていた友達に事情を説明しましたが、そんな少女はみていないとのことでした。 もう二度とあんな怖い出来事は起こらないで欲しいです。