
中編
中一の夏の話し
匿名 4日前
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に背中を預けながら私達はその日の夜をしのぐことにし、会話をしながら満点の星空を見て夜を越しました。
いつの間に眠っていたのか、目を開けると既に陽は登り切り、前日と同じく茹だるような暑さの中力無く蝉が鳴いていました。外で寝たため固まった背中に不快感を覚えながらその子を起こし、元来た道を戻りました。
ああ、きっと怒られるだろうな。
激怒した母の顔を思い浮かべながら重い足を引きずり帰宅し、ただいま、と声をかけると驚いた顔をした母と玄関先で出会いました。
『なんだ、外に出てたの?』
怒った様子もなく軽い口調でおかえりと母は言い、昼食の準備に取り掛かりました。都合良く友達の家に泊まっていたと思ってくれたんだろう…と思考し、怒られないことに安心しながら1日ぶりのシャワーを浴び、涼しげな冷やし中華を食べて宿題に取り掛かりました。一向に減ってる気がしない宿題に重いため息を吐きながらカレンダーを見ると、まだまだ夏休みの宿題を終わらせるには間に合いそうな中間の日、8/17と書いてありました。
と、こんなこともあったねとついこの間思い出話しを母と話していると、母は顔を歪めて『そんなことはない』『娘の行き先も知らないで泊りに行かせたことは一度もない』と言い張るんです。確かに中学生の頃は親が把握していない場所へ泊りに出かけることはできなかったと思います。親同士が必ず連絡を取り合い、子供が何処にいるのか確認が義務付けられていました。特に私の親はそういうことに厳しく、あの日のように1日行方不明になっていたらもっと大変な騒ぎになっていたと思います。
では、友人はどうだったのか。
その当時のことを彼女に聞きたかったのですが…私は気が付いたのです。
その友人の顔も名前も居場所も一切、思い出せないことに。
長くなってしまいましたがここまで読んでくださってありがとうございました!フィクションっぽく書いたノンフィクションなので、今でも思い出すとゾッとします…。気が付かないこともあるんですね…。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(6件)
- 読んでてとても引き込まれました。うんこりん
- 怖いかどうかは別として文章も内容も素敵でした!たま
- 読みやすかったです。特に情景描写がグッド!黄金虫
- 読ませて頂きました☆ 多分お友達は、祠の神様だと思います。 一緒に遊びたかったのかも知れませんね(^ー^)ゆめ
- Thank God! Somnoee with brains speaks!Dora
- 怖くはなかったが、よかった雛月加代