
俺が大学生の頃、同じクラスにユイ(仮名)という在日コリアンの女の子がいた。
ユイは可愛らしい丸い顔に長い綺麗な黒髪で、雰囲気も可愛らしい子だった。
彼女は普段は姓名とも通名(日本名)を使用しているため、彼女の本名は誰も知らなかった。
尚、苗字とユイという名前は本名の字とも発音とも全く関係ないらしい。
初めてユイを見たときは普通に日本人だと思っていた。
顔や雰囲気は日本人とほとんど変わらないし、発音もおかしくないからだった。
大学の専攻での飲み会で「ユイに彼氏はいない」と小耳に挟み、彼女により興味を持った。
そして俺はユイをデートに誘い、その帰り道ユイに告白した。
ユイは嬉しそうに頷いたが、
「でも今まで言ってなかったけど、一つだけ聞いてほしいことがあるの。」
「え、どんなこと??」
そしてユイは在日コリアンであることを告白した。
両親ともに韓国人であり、○○町という韓国人が多く住む場所で生まれたこと、日本に馴染むために日本語を自然な発音も含めて必死に覚えたことなど。
俺はユイの告白に予想外に困惑した。
今まで普通の日本人の可愛い女の子だと思っていたユイが・・。
っていうより「普通の日本人」って言葉自体がそもそも間違っているが。
ユイと付き合っていいのか・・。
家族や周りの反応は??将来どうするのか??
でも、好きになった子に変わりはない!俺は覚悟を決めた。
「関係ないよ!俺はユイが好きなんだから!」
すると、ユイは目を潤ませて俺を見た。
そして、お互いに手を握る俺たち。
・・・
俺はユイと長く付き合うようになった。
キャンパスでユイと手を繋ぎながら歩き、ユイと付き合っている噂はあっと言う間に広まっていった。
一方で、ユイが在日コリアンであることは誰にも話さなかった。
それはユイのためでもあり、俺のためでもあった。
ユイと付き合う以上は、俺もユイと同じ境遇を背負うことになる。
同時に「堂々と自分の素性を明かせるようにすること」それが理想なのだが・・。
大学は英語学を中心として文学や歴史を学ぶ学科だった。
授業の中で「韓国併合」「竹島問題」「慰安婦問題」などが出てくると、俺はユイと付き合うまで感じたことなかった気持ちになってしまった。
実際こういう問題って、日本と韓国それぞれに言い分があって一筋縄にどちらが正しいと言える問題ではないからだ。
そして授業でこのような話が出てくると、ユイは決まって真剣な表情になったり、ときには涙を流すこともあった。
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