
俺が21才のときの話。
就活で遠方まで行くときに交通費削減のため夜行の高速バスに乗っていた。
しかもバスは2列ずつの4列で、1人で乗っていた俺は必然的に隣に知らない人がきた。
居心地はよくなかったが、なんだかんだいって寝ることができたのはよかった。
ある日のこと俺は早めにきて窓際の指定席に座っていると、隣に俺と同い年くらいの若い女性がきた。
女性は少しも躊躇せずに俺の隣に座った。
すぐ真横にいるからあまりジロジロとは見れないが、チラチラと見える色白の綺麗な感じの顔、やや長めのショートヘア、服の膨らみ、スカートと綺麗な黒タイツの脚。
バスが出発してから外の景色を見るふりをして窓に反射した女性を見ると、やはり若くて可愛らしい女性だった。
そのあと俺は景色を眺め、女性もスマホを弄っていて何か話すこともなかったが、可愛い女性がすぐ隣にいて嬉しい気持ちだった。
夜も遅くなると車内は消灯し、読書灯や携帯電話の使用、カーテンを開けて景色を眺めることを控えるように言われた。
俺は暗闇ですることもないし、眠りについた。
どれくらい寝ただろうか。
真夜中に俺は違和感を感じて目が覚めた。
女性が目を閉じたままお経のようなものを唱えている。
声はそれ程大きくないが、すぐ隣の俺には囁き声がずっと聞こえていた。
俺は多少動いたりして「起きてますよ」のような意思表示をしたが、女性は知ってか知らずかお経を唱え続ける。
お経の意味は分からないが、途中で○○と男性の名前らしきものを唱えた。
その○○が俺の名前と微妙に似ていて心臓が高鳴った。
女性はどんな理由があってお経を唱え続けているんだろうか。
女性はしばらくお経を唱えたあと静かになり、少し安心した俺も眠りについた。
翌日、日が上り朝の挨拶のアナウンスが流れると、俺も女性も起きて一瞬目があったが、女性は気まずそうに目を逸らした。
女性とは最後まで一言も話すことはなかったが、綺麗な女性が深夜にお経を唱えていたのは今でも謎だ。
後日談:
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