
高校生の時、友人と一緒に地元の廃工場を探検することが決まった。秋の夕暮れ、日が沈む中、彼らは工場の周囲を調べることにした。
その工場は「絶対に近づいてはいけない」と噂されている場所だった。「怪奇現象が起こる」「過去に行方不明者が多い」といった話が立ち並ぶ中、彼らは好奇心に駆られて足を踏み入れる。
工場の中は薄暗く、冷たい空気が漂っていた。彼らは懐中電灯を点け、奥へ進む。すると、古びた機械の隙間から何かが見えた。彼らは息を呑み、近づいてみる。
そこには、血塗れの少女が横たわっていた。彼女は無表情で、ただじっと見つめていた。彼らは恐怖に震え、すぐにその場を離れようとしたが、一人の友人が足を止めた。
「待って、彼女は助けを求めているんだ!」
その言葉に他の二人は驚き、彼の肩を引っ張った。「帰ろう、そんなのは幻だ!」
しかし、友人は少女の方へ進み、彼女の手を取ろうとした瞬間、彼の目の前で少女の顔が崩れ、ニヤリと笑った。彼は凍りつき、動けなくなった。
工場の外にいた別の作業員がその様子に気づき、叫んで助けに入ったが、彼女の存在は消え、友人はそのまま倒れ込んでしまった。彼はその後、二度と目を覚まさなかった。
工場を後にした二人は、振り返り、もう一度その場所を見た。確かにそこには、血塗れの少女の笑みが、薄暗い工場の奥に残っていたのだ。彼女は、また新たな「助け」を求める者を待ち続けているのだと。彼らはその後、二度とその工場には近づかなかった。彼女の笑顔が、心に焼き付いて離れなかったから。彼は今でも、あの時の恐怖を忘れられずにいる。彼女は決して忘れ去られないのだ。彼女の存在は、常に彼らの心の中に潜んでいる。彼らはもう一度、あの廃工場に足を運ぶことができるだろうか?それとも、彼女にとっての新たな「助け」を求める者になってしまうのだろうか?
その問いが、彼の心の中にこだました。彼にとって、あの工場は二度と足を踏み入れるべき場所ではなかった。彼女の笑顔が、彼を待っているのだから。
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