
20年前の冬の夜、私は大都市の高層ビルにある社員寮に転属になりました。会社の制度で、数年ごとに社員が異動するのは珍しくありませんが、私が最初に住むことになった部屋は古びたもの。
前任者は既婚の先輩で、彼女とは面識がありました。彼女は一見すると普通の女性でしたが、何かが少しだけ違和感を覚えさせる存在でした。彼女の退社後、私はその部屋に移り住むことになったのです。
部屋には、前の住人が残していった家具がありました。特に目を引いたのは、ボロボロのソファと年季の入ったテーブルでした。引っ越ししたての私は、少しでも快適に過ごすために掃除をすることにしました。
掃除機をかけていると、異物感を感じました。テーブルの下に、何か小さなものが散らばっているのを見つけました。よく見ると、それは釘でした。最初は数本、次第に見つける数が増えていき、最終的には十数本に達しました。
その時、背筋が寒くなりました。私はこの部屋に何か不気味なものが潜んでいるのではないかと思い始めました。次の日、私はソファのクッションにも手を突っ込みました。すると、またもや釘が刺さりました。
それから、私はすぐにベッドのシーツを新調し、家具を全て入れ替えることを決めました。さらに、鍵も交換しました。前任者が何かを残していったのだと感じながらも、彼女が何の意図を持っていたのかはわかりませんでした。
数年後、私は本社に戻り、彼女のことを知るチャンスがありましたが、彼女はすでに退社していました。彼女が住んでいた部屋には、どれほどの謎が隠されていたのか。今でも、あの釘の数が不気味でたまらない記憶として心に残っています。何かを伝えたかったのか、ただの偶然だったのか、未だに答えは見つかりません。私は、アパートの針が意味するものを考え続けています。どこかにその答えが隠されているような気がして。
あれから20年、あの出来事は私の心の奥底に、静かに恐怖を宿しています。
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