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八尺様
長編 emoji_events 殿堂入り

八尺様

しずく 2013年1月5日
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を少しだけ見てしまった。 目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。 あの大股で付いてきているのか。 頭はウインドウの外にあって見えない。しかし、車内を覗き込もうとしたのか、頭を下げる仕草を始めた。 無意識に「ヒッ」と声を出す。 「見るな」と隣が声を荒げる。 慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。 コツ、コツ、コツ ガラスを叩く音が始まる。 周りに乗っている人も短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。 アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。 Kさんの念仏に力が入る。 やがて、声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けた」と声をあげた。 それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。 やがて車は道の広い所で止り、親父の車に移された。 親父とじいちゃんが他の男たちに頭を下げているとき、Kさんが「お札を見せてみろ」と近寄ってきた。 無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。 Kさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていなさい」と新しいお札をくれた。 その後は親父と二人で自宅へ戻った。 バイクは後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた。 親父も八尺様のことは知っていたようで、子供の頃、友達のひとりが魅入られて命を落としたということを話してくれた。 魅入られたため、他の土地に移った人も知っているという。 バンに乗った男たちは、すべてじいちゃんの一族に関係がある人で、つまりは極々薄いながらも自分と血縁関係にある人たちだそうだ。 前を走ったじいちゃん、後ろを走った親父も当然血のつながりはあるわけで、少しでも八尺様の目をごまかそうと、あのようなことをしたという。 親父の兄弟(伯父)は一晩でこちらに来られなかったため、血縁は薄くてもすぐに集まる人に来てもらったようだ。 それでも流石に七人もの男が今の今、というわけにはいかなく、また夜より昼のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。 道中、最悪ならじいちゃんか親父が身代わりになる覚悟だったとか。 そして、先に書いたようなことを説明され、もうあそこには行かないようにと念を押された。 家に戻ってから、じいちゃんと電話で話したとき、あの夜に声をかけたかと聞いたが、そんなことはしていないと断言された。 ——やっ

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