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しずく 2013年1月5日
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た。 (ああ、あれ爪で引っかいてた音なんだ・・) どうしてそう思ったかわからない。 だけど、思い返してみれば繋がらないこともないんだ。 階段を上るときに鳴っていた「パキパキ」っていう音も、何かを踏みつけていた感触も、床に大量に散らばった爪のせいだったんじゃないか?って。 そしてその爪は、壁の向こうから必死に引っかいている何かのものなんじゃないか?って。 きっと、膝をついて残飯を食ったとき、恐怖のせいで階段を無茶に駆け下りたとき、 床に散らばる爪の破片のせいでケガをしたんだろう。 でも、そんなことはもうどうでもいい。 確かなことは、ここにはもういられないってことだった。 俺はAとBに言った。 俺「このまま働けるはずがない」 A「わかってる」 B「俺もそう思ってた」 俺「明日、女将さんに言おう」 A「言っていくのか?」 俺「仕方ないよ。世話になったのは事実だし、謝らなきゃいけないことだ」 B「でも、今回のことで女将さん怪しさナンバーワンだよ? もしあそこに行ったって言ったらどんな顔するのか俺見たくない」 俺「バカ。言うはずないだろ。普通にやめるんだよ。」 A「うん、そっちのほうがいいな」 そんなこんなで、俺たちはその晩のうちに荷物をまとめ、 男なのにむさくるしくて申し訳ないが、あまりの恐怖のため、 布団を2枚くっつけてそこに3人で無理やり寝た。 めざしのように寄り添って寝た。 誰一人、寝息を立てるやつはいなかったけど。 そうして明日を迎えることになるんだ。 次の日、誰もほとんど口をきかないまま朝を迎えた。 沈黙の中、急に携帯のアラームが鳴った。 いつも俺達が起きる時間だった。 Bの体がビクンってなって、相当怯えているのが伺えた。 Bは根がすごく優しいヤツだから、前の晩俺に言ったんだ。 B「ごめんな。俺なんかよりお前のほうが全然怖い思いしたよな。 それなのに俺がこんなんでごめん。助けに行かなくて本当ごめん。」 俺はそれだけで本当に嬉しくて目頭が熱くなった。 でもよくよく考えてみると、「俺なんかより怖い思い」ってなんだ? 実際に恐怖の体験をしたのは俺だし、AもBも下から眺めていただけだ。 もしかしてあれか?俺の階段を駆け下りる姿がマズかったか? 普

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