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秋の夕暮れ、ひと気のない山中に立つ廃屋。その周囲は静まり返り、ただ風の音だけが耳に残る。私は取材チームの一員として、地域の伝説や神秘を探るため、そこへ向かうことにした。その廃屋は、かつて農業を営んでいた家族が住んでいたが、今では誰も近寄らないという。 車での道中、助手の美咲が不安そうに言った...
島に渡ったのは、取材の仕事だった。人口は千人に満たない。船は一日二便。風が強いと欠航する。そういう場所だと、文章で読んだら「静か」「素朴」と書ける。でも実際は、静かだからこそ目立つし、素朴だからこそ従わせる力が強い。 私は女で、取材の名目がある。だから島の人は親切だった。荷物を運んでくれ、泊...