いつの事だろう僕は、まだ DVDが普及する前に心霊番組をテレビで見たのを覚えている。 その特集の中で市松人形に作者の魂が宿り、髪が伸びるというものがあった。 その番組の中で実際に、髪が伸びていた人形をお寺へ納めていた様子が映っていた。そんな不可解な現象が起こる訳無いと思っていた僕は、他人事と信用していなかった。その番組が終わった後に、そう言えば家にも日本人形がガラスケースに入っていたのを思い出した。 それをガラスケースから取り出して、確認して見るとおかっぱ頭だった髪が若干段々になってる気がした。 まだその時はあまり気にしていなかった。それから数日間人形の様子を観察して見ると、数日前は肩くらいにしかなかった人形の髪が腰付近まで伸びている【汗】。 「うわぁっ！」あまりの恐怖で声を発した。私は急いで人形を袋に入れて人通りの少ない近くの公園のゴミカゴに捨てに行った。今はそんな事は許されない事だが当時の僕は、御構いなしでいた。 捨ててから、胸をなでおろした僕だったが、それで終わらなかった。 その日の夜、日頃夜中目が覚めたりしないのになぜか目が覚めた。 そしてのどが渇いてキッチンの冷蔵庫に麦茶を取りに行くとそこからリビングの窓辺を小さな人影が横切るのが目に入った。【汗】「えっ！」しばらく呆然とした僕だったが、その後雨戸を「トントンッ」「トントンッ」「トントンッ」と叩く音が聞こえる。「トントンッ」の音は鳴り止む事無く僕は恐怖に襲われて自室のベッドの中へもぐり入り込み朝を待った。 朝日が差し込んで重だるい体を起こし、昨日の起こった事を思い出して、庭を回って見るとなんと昨日公園に捨てた人形があるでは無いか【汗】【汗】。 怖くなった僕は今日が近所のゴミ回収の日であり、他のゴミと一緒にその人形は捨てたのを覚えている。 その後は人形が追いかけてくる事はなかったが、今思い返せばちゃんと供養してあげれば良かったと思います。 その時に人形にも魂が宿る事を理解しました。 これを見ている日本人形をお持ちの方、昔の日本人形は人間の毛髪を実際に使っていたと聞いたのでもしかしたら、その人形にも魂が宿っているかもしれません。 読んでいただきありがとうございます。