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長編

お姉ちゃん…優しいね

しの 2018年4月20日
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今回は、私と私の親友Mの中学時代の後輩が私に二人目の子供が生まれた事で、出産祝いを持って遊びに来てくれた時のお話です。 私の投稿させて頂いたお話の中の「メロンが嫌いなのに。」で、登場したKです。 私が二番目の娘を出産して2ヶ月程過ぎた、ある日の夜後輩のKが突然やって来ました。 私「K。どないしたん?こんな時間に来るなんて珍しいやん」 K「すみません。遅い時間に」 いつも遊びに来るなら昼間に来ていたKが、この日訪ねて来たのは夜10時を過ぎて居ました。 私「別に構わないよ。上がり」 K「ありがとうございます。お邪魔します」 私「子供らは寝てしまったし、旦那も今日は飲み会やからちょっと遅くなるみたいやから、ゆっくりして行き」 K「ありがとうございます。あっ!これ、出産祝いです。遅くなってしまってすいません」 私「わざわざありがとう。気を使わなくて良いんやで笑」 Kは私達の中学時代の仲間内では、比較的大人しいタイプの子でした。 昔から子供が大好きで、現在の職業も保育園の保育士さんです。 プライベートは、彼氏は居ますがまだ一人暮らしの独身でした。 この日のKは夜に突然やって来た事以外にも、何故か落ち着きが無くてソワソワしている感じで、部屋をキョロキョロ見回したりして居ました。 私「なんや、お前今日やたら落ち着き無いけど、どないしたん?」 K「あっ!いえ…あの…その…何か、何日か前から右肩と背中がやたらと重いと言うか、痛いと言うか…」 私「…。お前、来る所間違えて無いか?そんな時に行くんはMの所やろに!」 K「あっ。あの…私、昔からM先輩苦手で、多分二人きりでは話出来そうに無くて…」 私「未だに怖いのかよ笑中学卒業して何年経ってると思ってんねん笑 って言うか、私にそっち系で頼られても困る。M呼ぶわ」 K「あぁ…怒りませんかね?汗」 私「怒る訳無いやろ笑笑」 そう言うと私はMに連絡しました。 ―電話中― 私「M?夜にいきなりゴメンやで。お前、今から家来られへんかな?」 M「ん?何だ、急に?何かあったのか?」 私「あったと言うか、ありそうと言うか?」 M「何言ってんだ?お前笑 まぁ、良いや。暇だから行ってやるよ。Iも居るの?」 私「Iは飲み会だから、夜中になると思う。 あっ。C(Mの娘)連れて来る?」 M「いや。寝ちゃってるから、お母に頼んで行くわ」 私「分かった。サンキュー!待ってる」 Mは車の免許を取得していたので、お母さんに車を借りてやって来ました。 私「「M、悪いな。夜にいきなり呼び出して」 M「いや。明日、土曜だから私もお母も仕事休みだから、C預かって貰えたし大丈夫だよ。 で?何があったん?」 私「とりあえず上がりや」 M「うん!おじゃま」 Mは、部屋に入りKを見るなり M「K!久し振りだな。 S!私をこんな時間に呼び出したのはこれか笑笑」 私「これか…??」 Mは私の問いかけには答えずKに M「K?お前、重くないのか?」 K「えっ!あっ。あの…」 M「右肩と背中。重いだろ?」 K「…はっ、はい!」 M「だろうな笑笑」 私「M。なんなん?」 M「おんぶしてんだよ。男の子を」 私・K「えっ!!!Σ(×_×;)!」 私「おんぶ?Kに男の子がおぶさってるん?今??」 M「あぁ。今も。こっち見て笑ってるよ」 私「……マジか…」 M「K、お前子供好きだもんな?なんか最近事故現場とか通らなかった?」 K「……あっ!そう言えば、3日位前に、たまたま通ったマンションの植え込みの前に花束とかお菓子やジュースが供えてあって…」 M「それ見てどう思った?」 K「こんな所で誰か亡くなったのかな?お菓子とかあるから子供かな?可哀想だな…。って…」 M「それだわ」 K「それだわ…って言うのは…?」 M「お前子供好きだから、その花束の前で本当に可哀想だな~って思ったんだろ。だから、憑いて来ちゃったんだわ」 K「……どうしたら良いんでしょう?」 M「離れて貰うしか無いわな」 K「どうやって…?」 M「まずは、お話してみましょうかね」 K「…誰と??」 M「お前がおんぶしてる男の子と、私がだよ」 K「あっ…!お願いします汗」 ~Mと霊の対話~ ※私とKにはMが一人で喋ってる様にしか聞こえて居ません。 M「僕?いくつ?」 霊(4歳) M「そう。お名前は?」 霊(Y) M「Y君か。お父さんとお母さんは?」 霊(パパとママは、女の子が欲しかったから僕要らない。って…) M「辛かったね。もう良いよ。Y君、どうしてこのお姉ちゃんに憑いて来ちゃったのかな?」 霊(お姉ちゃん…優しかったから) M「そっか。でも、ずっとこのお姉ちゃんにおんぶしてる訳には行かないんだよ?お姉ちゃん、疲れちゃうから」 霊(嫌だ!一人ぼっちになっちゃうもん!) 一時中断。 M「困ったぞ」 私「え?なんて?おんぶしてる子はなんて言ってたん?」 M「今までの会話で聞けたのは、歳は4歳。名前はY。両親に虐待で殺された。あの子の親は女の子が欲しかったらしい。男の子は要らないから。って、日常的に虐待されてて最後には一人でベランダで遊んでて誤って落ちた事にしよう。って、父親がマンションの7階のベランダから投げ落とした」 私「なんて…酷い事を…」 M「何でKにおんぶしてるのかは、お姉ちゃん優しかったから。ってさ。Kは子供好きだからその花束の前で純粋に、可哀想だな~。って思ったんだろ。霊に同情したら駄目何だよ。どうにかしてくれるって思って憑いて来ちゃうから」 私「憑いて来ちゃったって訳ね?」 M「そう。お姉ちゃんにずっと憑いてる訳には行かないんだよ?お姉ちゃん疲れちゃうから。って言ったら、嫌だ!一人ぼっちになっちゃうもん!ってさ。本来、違う事故や病気でなくなったりすれば、真っ先に行くのは親の所だよ。でも…あの子は親の所には戻れない。だから、たまたま通り掛かって自分に同情してくれたKに憑いてしまった。離すには時間掛かるかもなぁ~」 そんな時、私の旦那のIが飲み会から帰って来ました。時計を見ると0時を少し過ぎた位でした。 I「ただいま!」 私・M「お帰り!」 I「あれっ。Mさん。いらっしゃい!あれ?Kも居るじゃ……」 私「どした?」 I「アイツ…子供居たっけ??」 私「まだ、結婚もしてないやろに!」 I「じゃ、あの、Kがおんぶしてる子は誰の子?」 M「見えちゃった?笑笑」 I「あぁ…。生きてないのか…」 (あぁ…私はなんて奴等に囲まれてるのー!) そこへ寝ぼけた顔のRが目を擦りながら起きて来ました。 R「トイレ…。ん!!」 (ほらほらっ!お前もか?) R「ママ?Kちゃん、おんぶしてる子誰??」 (やっぱりか~い!何なんだ?何なんだ?こんなならいっそ私にも姿を見せてくれー!) R「あの子…傷だらけだね…」 (ママには見えませんけどね) M「R!お前は良くない。トイレ行ってすぐに布団に戻りな」 R「分かった!」 Rは走ってトイレに行き、出て来ると又走って布団に戻って行きました。 M「女の子には怨みがあるだろうからな」 I「あの子の事情は分かったけど、いつまでもKにおんぶしてるのはマズイだろ?」 M「あぁ。ちょっと時間掛かりそうだけど、説得するしかないね」 I「そうだね。頑張って!」 M「何言ってんの?お前はバカか。お前も一緒にやるんだよ」 I「無理無理!俺、酔っぱらってるし!」 M「見た感じ、そんなに酔っぱらってる様には見えないけど?」 I「無理無理!俺は明日仕事で又、早いから!」 M「良いからやるんだよ!!」 Mの声で二番目の娘が泣き出しました。 I「デカイ声出すからだろ」 M「ゴメン!」 私「いや。どうせ直にミルクで起きる時間だったし。私、娘達と隣の部屋居るわ。後、宜しく!」 I「待って!俺も行く!」 M「お前はこっちだろ!」 I「マジかよ~!K!お前、何でうちに来たの?Mさん所最初から行けよ」 M「Iに先に見て貰うつもりで来たんだろ?私の事怖いから。昔から笑笑」 I「もう良いや。分かった。やるわ。早く寝たい」 M「よし。じゃ、もう一度話してみようか」 私は隣の部屋で娘達と横になって居る内にいつの間にか一緒に寝てしまって居ました。 二番目の娘が又、お腹が空いて泣き出して目が覚めました。時計を見ると朝の5時過ぎでした。 二番目の娘を抱っこして隣の部屋へ行くと、KとMが寝ていました。 Iは仕事に行ったらしく居ませんでした。 テーブルに置きっぱなしだった携帯を見るとIからメールが入って居ました。 ―メール内容― 時間掛かったわ。 なかなかあの子離れなくてさ。 でも、どうにか離した。 三時間位掛かったわ。 MさんもKも疲れて寝てるよ。 寝かせといてやって。 俺は、殆んど寝てませーん! (大変やったんやな。私は呑気に寝てたけど) 私も、それからもう少し寝て次に起きると8時近くでした。 隣の部屋に行くとKが起きて居ました。 私「楽になったか?」 K「おはようございます!はい!肩と背中の痛みとか無くなりました!」 私「良かったやん。まぁ~、あの憑いて来た子も可哀想だけどな…」 M「どんなに可哀想でも、何もしてやれないなら同情もするな。って話だよ」 私「起きてたんか」 M「金輪際、一切同情するなよ。例え花束が供えてあっても」 K「はい。解りました。でも…あの泣き声は忘れられません」 M「忘れなきゃ駄目だ」 私「泣き声?」 M「あの子がKの背中から離れて上がる時に、泣いたんだ。お姉ちゃん!バイバイ!って言いながら。一切姿は見えなかったのに、その泣き声だけはKにも聞こえたらしい」 私「そうだったんや…」 この経験は怖いと言うより切ないと言うか、やりきれないと言うか、そんな感じでした。 折角生まれて来たのに、女の子が良かったなんて理由で両親から理不尽な暴力を受け、果てには殺されてしまった男の子。 たった4年の短い命。 Kだけでは無い。誰だって同情する。 でも、霊に対しては同情は逆に良くないと言う事が分かった経験でも有りました。

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